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※2023年1月〜2026年5月末までのグループ全体累計受診数。
急な吐き気について
この内容は「吐き気」と関連します。基本情報はそちらのページで詳しく解説しています。
急な吐き気(悪心)は、嘔吐をしそうになる不快な感覚で、めまいや食欲不振をともなうことがあります。多くは感染性胃腸炎(食あたり・ウイルス性胃腸炎)、飲み過ぎ、乗り物酔い、ストレスなどによる一過性のもので、時間の経過とともに落ち着くことが少なくありません。一方で、吐き気は脳の病気、心臓や腹部の重い病気、代謝の異常などのサインとしてあらわれることもあります。強い頭痛や意識の変化、激しい腹痛、吐血、水分がとれないほどの嘔吐などがあるときは、緊急・対面での対応が必要な場合があります。原因の特定と治療の要否は、症状や経過をふまえた医師の診察・判断によります。
- 吐き気(悪心)は嘔吐をしそうになる不快な感覚で、めまいや食欲不振をともなうことがあります。
- 原因は感染性胃腸炎・飲み過ぎ・乗り物酔い・ストレスなど一過性のものから、脳・心臓・腹部の病気まで多岐にわたります。
- 多くは対症療法(水分補給・安静・制吐薬)で経過をみますが、原因によって対応が異なります。
- 強い頭痛・意識の変化・激しい腹痛・吐血・脱水などがあるときは、速やかな受診が必要です。
- 原因の特定と治療は、症状や経過をふまえた医師の診察・判断によります。
急な吐き気の症状
吐き気(悪心)は、みぞおちや胸のあたりのむかつき、嘔吐をしそうになる不快な感覚として自覚されます。次のような症状をともなうことがあります。
- 嘔吐(胃の内容物が食道に押し上げられ口から出る)
- 食欲不振・胃のむかつき
- めまい・ふらつき
- みぞおちや腹部の漠然とした不快感・腹痛
- 下痢(感染性胃腸炎などの場合)
感染性胃腸炎(ノロウイルスなど)では、吐き気・嘔吐・下痢・腹痛がみられ、発熱は軽度のことが多いとされています。症状の強さや続き方は原因によって異なります。
病型・タイプ
吐き気は一つの症状であり、原因のもと(どこからの刺激か)によって次のように整理して考えられます。
- 消化管由来:胃腸炎、胃不全麻痺、腸閉塞、肝炎、虫垂炎・胆のう炎・膵炎などの急性腹症によるもの。
- 中枢神経由来:片頭痛、髄膜炎・脳炎、脳腫瘍、脳出血・くも膜下出血、頭部の外傷によるもの。
- 前庭(内耳)由来:乗り物酔い、内耳炎、良性発作性頭位めまい症など、平衡感覚に関わるもの。
- 全身・代謝性:糖尿病性ケトアシドーシス、肝不全・腎不全、妊娠など。
- 薬剤・毒物・嗜好品:オピオイド鎮痛薬や抗がん剤などの薬剤、アルコール、大麻、毒性物質によるもの。
- 機能性・心因性:ストレス関連、周期性嘔吐症候群、慢性悪心嘔吐症候群(6カ月以上にわたり週1回以上など)。
初期症状・前兆
吐き気は嘔吐に先立ってあらわれることが多く、はじめは胃のむかつきや食欲不振、めまいといった軽い不快感として気づかれます。原因によっては、これに腹痛や下痢、頭痛などが続くこともあります。こうした症状が続く場合や、後述の危険なサインをともなう場合は、早めに医療機関で相談することがすすめられます。
一過性の吐き気の多くは自然に落ち着きますが、嘔吐を繰り返すと、脱水や電解質の異常を起こすことがあります。嘔吐物を気管に吸い込む(誤嚥)ことや、強い嘔吐で食道の粘膜が裂けること(マロリー・ワイス症候群)、食道が破れることもあります。長引くと低栄養や体重減少につながることもあります。また、吐き気の背景に腸閉塞・脳の病気・心臓の病気・代謝の異常などが隠れている場合、対応が遅れると状態が悪化することがあります。経過や重症度の判断は医師の診察によります。
急な吐き気の原因
急な吐き気の原因は多岐にわたります。日常でよくみられるものとしては、ウイルスや細菌による胃腸炎(食あたり・感染性胃腸炎)、飲み過ぎ(アルコール)、乗り物酔い、ストレスなどがあります。ノロウイルスなどによる感染性胃腸炎では、潜伏期間はおよそ24〜48時間で、吐き気・嘔吐・下痢・腹痛があらわれ、通常は1〜2日続いた後に治まることが多いとされています。このほか、腸閉塞・胃不全麻痺・肝炎などの消化器の病気、片頭痛・髄膜炎・脳腫瘍・脳出血・頭部外傷などの脳や神経の病気、内耳の病気、糖尿病性ケトアシドーシスや肝・腎の機能低下、妊娠、オピオイド鎮痛薬や抗がん剤などの薬剤も原因となります。
病態メカニズム
吐き気や嘔吐は、脳の延髄にある嘔吐中枢が刺激されることで起こると考えられています。嘔吐中枢は、消化管、内耳(平衡感覚)、血液中の物質を感知する部位、大脳などさまざまな経路から刺激を受け取ります。嘔吐の際は、胃の上部(胃底部)と下部食道括約筋がゆるんだ状態で腹筋が不随意に収縮し、胃の内容物が食道を通って口から押し出されます。悪心は、この嘔吐中枢への刺激が意識される不快感として自覚されます。
なりやすい人・リスク要因
次のような場合には、吐き気が起こりやすい、または注意が必要とされています。
- 感染性胃腸炎が流行している時期や、加熱が不十分な食品・二枚貝などを食べたとき
- 飲酒の機会が多い方
- 乗り物に酔いやすい方
- 片頭痛のある方
- 妊娠中の方
- 糖尿病・肝臓や腎臓の病気など、基礎疾患のある方
- オピオイド鎮痛薬や抗がん剤など、吐き気を起こしうる薬を使用している方
急な吐き気の診断・検査
診断は、問診と身体診察を中心に行われます。いつから・どのくらいの頻度で吐き気や嘔吐があるか、腹痛・下痢・頭痛などの随伴症状、服用中の薬、頭部の打撲の有無、妊娠の可能性、持病などが確認されます。妊娠の可能性がある年代の女性では妊娠検査が行われることがあります。嘔吐が激しい、1日以上続く、脱水の兆候があるといった場合には、血液検査(電解質や肝機能など)や尿検査が行われることがあります。危険なサインがある場合には、症状に応じて画像検査などが検討されます。検査の要否は医師の判断によります。
似た疾患・鑑別
吐き気を起こす状態は数多くあり、原因によって対応が異なります。似た症状を示すものとして、胃腸炎、胃炎・胃潰瘍、逆流性食道炎、虫垂炎、胆石・胆のう炎、膵炎、腸閉塞、片頭痛、メニエール病や良性発作性頭位めまい症などの内耳の病気、糖尿病性ケトアシドーシス、妊娠(つわり)、髄膜炎、脳出血・くも膜下出血、心臓の病気などがあります。症状が似ていても原因が異なるため、鑑別は医師の診察と検査によって行われます。
急な吐き気の治療・治し方
吐き気の治療は、原因への対応と、つらい症状をやわらげる対症療法が基本になります。感染性胃腸炎など一過性のものでは、水分補給と安静を中心に経過をみることが多く、症状に応じて吐き気を抑える薬(制吐薬)が用いられることがあります。脱水や電解質の異常が強い場合や、水分がとれない場合には、点滴(輸液)が行われることがあります。背景に別の病気がある場合は、その病気の治療が行われます。治療法の選択は、原因や症状の程度をふまえた医師の判断によります。
急性期・発作時の治療
急な吐き気・嘔吐があるときは、最後に吐いてから30分ほどしてから、少量(はじめは30〜50ミリリットル程度)ずつ水分をとり始め、耐えられれば徐々に量を増やしていく方法が一般的に知られています。真水や薄いスープ、経口補水液などが用いられ、炭酸飲料やアルコールは避けることがすすめられます。症状に応じて、乗り物酔いには抗ヒスタミン薬(ジメンヒドリナートなど)、軽度から中等度の吐き気にはメトクロプラミドやプロクロルペラジンなど、抗がん剤による強い吐き気にはオンダンセトロンなどの5-HT3受容体拮抗薬といった制吐薬が、医師の判断で用いられることがあります。水分がとれない・嘔吐が止まらない場合には輸液が行われます。
予防・慢性期の治療
吐き気が慢性的に続いたり、繰り返したりする場合は、背景にある原因への対応が中心になります。片頭痛や消化器の病気、内耳の病気などが背景にある場合は、その治療が行われます。周期性嘔吐症候群や慢性悪心嘔吐症候群のように、決まったパターンで繰り返すものもあり、原因を調べたうえで対応が検討されます。原因薬剤が疑われる場合は、自己判断で中止せず、医師に相談することが大切です。いずれも医師の診察と判断のもとで行われます。
急な吐き気があるときの一般的なセルフケアとしては、次のようなことが知られています。
- 無理に飲食せず、まず安静にする
- 吐き気が少し落ち着いたら、少量ずつ水分や経口補水液をとる
- においの強いものや脂っこいものを避ける
- 衣服をゆるめ、楽な姿勢で休む
- 感染性胃腸炎が疑われるときは、手洗いなどで周囲への感染を防ぐ
市販の制吐薬や整腸剤もありますが、吐き気の原因によって適否が異なります。セルフケアは受診の代わりにはならず、水分がとれない、症状が続く・悪化する、危険なサインがあるといった場合は、早めに医療機関を受診してください。
予防・生活習慣
吐き気の予防は、原因に応じて次のような工夫が知られています。
- 感染性胃腸炎の予防として、トイレの後や調理・食事の前に、流水と石けんでていねいに手を洗う
- 食品は中心部が85〜90℃で90秒以上を目安に十分に加熱する
- 暴飲暴食や飲み過ぎを控える
- 乗り物に酔いやすい方は、体調を整え、必要に応じて酔い止めを利用する
- 吐き気を起こしうる薬を使う場合は、医師や薬剤師に相談する
治療期間・見通し
感染性胃腸炎などの一過性の吐き気は、通常1〜2日ほどで治まることが多いとされています。ただし、原因によって見通しは大きく異なり、背景に別の病気がある場合はその治療が必要になります。慢性的に続く場合や繰り返す場合は、原因を調べたうえで対応が検討されます。見通しは個々の状態によって異なり、医師の判断によります。
受診の目安・オンライン診療
受診の目安
吐き気や嘔吐が24〜48時間より長く続く場合や、数口分より多くの水分をとることができない場合は、医療機関を受診することがすすめられます。とくに、脱水の兆候(のどの渇き、口の乾き、尿が少ない・出ない)がある場合や、症状を繰り返す場合、原因がはっきりしない場合は、早めの受診が望まれます。受診の要否や科の選択に迷うときは、受診の流れもご確認ください。
次のような症状があるときは、緊急・対面での対応が必要な状態が疑われます。速やかに医療機関を受診し、状況によっては救急の相談をしてください。
- 強い頭痛・首のこわばり(項部硬直)・意識がもうろうとする・呼びかけへの反応が鈍いとき(脳の病気の可能性)
- 激しい腹痛が続く、お腹が張って硬い・押すと強く痛むとき
- 血を吐いた(吐血)、吐いたものにコーヒーのかすのような黒いものが混じるとき
- 最近、頭を強く打ったあとに吐き気・嘔吐があるとき
- のどの渇き・口の乾き・尿が少ない、または出ないなど脱水が強いとき、水分をまったくとれないとき
- 胸の痛みや冷や汗をともなうとき(心臓の病気が隠れていることがあります)
オンライン診療でできること
オンライン診療では、医師が問診で症状や経過をうかがい、感染性胃腸炎・飲み過ぎ・乗り物酔い・ストレスなどによる比較的軽い一過性の吐き気が疑われる場合に、保険適用のもとで、吐き気を抑える薬や整腸剤の処方、水分のとり方や安静などの生活指導を行える場合があります。受診の目安や受診先の案内にも利用できます。処方や治療の可否は、症状や経過をふまえた医師の判断によります。費用や保険については料金・保険をご確認ください。
対面受診が必要なケース
次のような場合は、対面での診察や検査が必要になります。
- 強い頭痛・意識の変化・頭部外傷のあとの吐き気など、脳の病気が疑われるとき
- 激しい腹痛が続く、吐血がある、脱水が強い・水分がとれないとき
- 嘔吐を繰り返す、症状が長引く、初めての症状で原因の精査が必要なとき
- 血液検査や画像検査など、実際の検査が必要なとき
- 妊娠中の方や子どもで、慎重な対応が必要なとき
これらに当てはまる場合は、対面の医療機関を受診してください。
費用の目安
吐き気の診察・検査・お薬は公的医療保険の対象となり、窓口では自己負担分(年齢や所得に応じた割合)をお支払いいただきます。オンライン診療でも保険が適用される場合があります。実際の費用は、診察内容・検査・処方の有無によって異なります。具体的な金額の目安は料金・保険をご確認ください。
※ 記載は一般的な医学的知見に基づく情報です。実際の診断・治療は医師の診察と判断によります。症状が重い・急な場合は対面受診や救急をご検討ください。
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外食のあと急に吐き気に襲われ、食あたりかもしれないと不安になりました。夜遅くでしたがClinicSpotは予約不要で受診でき、医師に経過を伝えると吐き気止めと整腸剤を処方してもらえました。翌日には薬が届き、水分のとり方も教わって落ち着いて対処できました。
会議前に突然むかむかして冷や汗が出て、そのまま帰宅しました。危険な症状ではないか心配でしたが、オンラインで医師に相談し、ストレスや自律神経の影響の可能性と、注意すべきサインを説明してもらえました。自宅から短時間で相談でき、安心して休めました。
朝いきなり吐き気と軽い腹痛が出て、急性胃腸炎かもと思いました。子どもの世話もあり通院しづらかったのですが、ClinicSpotなら家にいながら医師に診てもらえ、最短当日にお薬が届きました。脱水に気をつける目安も分かり、無理せず回復できました。
受診に関するよくある質問
石川雅俊(いしかわ まさとし) 医師/博士(医療福祉経営学)/公衆衛生学修士(MPH) 2005年筑波大学医学専門学群卒業。臨床研修を経て内科を中心に診療に従事したのち、2008年KPMGヘルスケアジャパン株式会社に参画し、ヘルスケア産業のアドバイザリー業務に従事(2012年マネージャー、2013年KPMGオーストラリア駐在)。2014年より国際医療福祉大学大学院医療経営管理分野准教授。2016年から2018年まで厚生労働省医政局総務課課長補佐として医療提供体制に関する政策立案に携わる。2018年日本医師会ハーバード大学武見フェロー、2020年ジョンズホプキンス大学公衆衛生大学院修士課程修了。 現在、東京医療保健大学特任教授、筑波大学医学医療系客員教授。日本医療経営学会理事・編集委員、日本医療・病院管理学会評議員、BMC Health Services Research編集委員を務める。医師の働き方改革、タスクシフティング、地域包括ケアにおける臨床指標開発などをテーマに、査読付き論文49編以上を発表。
最終更新日:2026年7月 / 本ページの情報は一般的な医学的知見に基づくものであり、個別の診断・治療を保証するものではありません。
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