1日200名以上の患者様に
ご利用いただいています
※2023年1月〜2026年5月末までのグループ全体累計受診数。
皮脂欠乏性湿疹について
皮脂欠乏性湿疹(ひしけつぼうせいしっしん)は、皮膚の乾燥(皮脂欠乏症・乾皮症)が進み、そこにこすれなどの刺激やかき壊しが加わって炎症(湿疹)を生じた状態です。加齢や冬の低湿度、過度の入浴・洗浄などにより、皮膚の水分を保つはたらきや表面をおおうはたらき(皮脂・汗)が低下すると、皮膚は光沢を失って粗くなり、細かい鱗屑(りんせつ=皮がむける)やひび割れ、強いかゆみが現れます。かゆくてかき続けると炎症が起こり、赤み・ぶつぶつを伴う湿疹へと進みます。中高年以降、とくに高齢者のすねなど下肢に多くみられ、乾燥する秋から冬に悪化しやすいとされています。多くは保湿を中心とした治療で改善が期待できますが、治療の可否や方法は医師の診察・判断によります。
- 皮膚の乾燥(皮脂欠乏症・乾皮症)に刺激やかき壊しが加わって炎症を起こした湿疹です
- 加齢・冬の低湿度・過度の入浴や洗浄などで皮膚のバリア機能が低下して生じます
- すねなど下肢に多く、乾燥する秋から冬に悪化しやすいとされています
- 治療は保湿剤によるスキンケアが基本で、炎症が強いときはステロイド外用薬などを併用します
- かき壊しを続けると湿疹が広がり、貨幣状湿疹などへ進むことがあります
皮脂欠乏性湿疹の症状
主な症状は、皮膚の乾燥と、それに伴うかゆみ・炎症です。乾燥の段階から炎症の段階へ、次のように進むことがあります。
- 皮膚の乾燥・つっぱり:皮膚が光沢を失い、粗くカサカサした状態になります。
- 鱗屑・粉ふき:皮膚の表面が細かくむけ、白く粉をふいたように見えます。
- ひび割れ(亀裂):乾燥が進むと、さざ波状や菱形(ひしがた)の浅いひび割れが生じ、軽い痛みを伴うことがあります。
- かゆみ・かき壊し:強いかゆみを生じ、かくことで炎症が起こります。高齢者ではかき壊しによる紫斑(皮下出血)がみられることもあります。
- 湿疹(赤み・ぶつぶつ):炎症が加わって赤みやぶつぶつを伴う湿疹となり、広がると円形の局面(貨幣状湿疹)を形成することがあります。
すね(下肢)に多く、腰・臀部・背中・腕などにもみられます。皮脂の分泌が多い顔や、わきなどの間擦部には比較的生じにくいとされています。
病型・タイプ
もととなる皮膚の乾燥(皮脂欠乏症)は、その要因によって、加齢などの生理的要因によるもの、冬の低湿度など環境要因によるもの、ほかの皮膚疾患・全身性疾患や薬剤・放射線治療などによる非生理的(医原性を含む)要因によるものに大きく分けられます。乾燥の程度は、鱗屑・粗さ・発赤・ひび割れといった所見をもとに段階的に評価されます。かき壊しにより湿疹が広がると、円形の局面をつくる貨幣状湿疹となることがあります。分類や重症度の判断は医師が行います。
初期症状・前兆
初期には、炎症を伴わない皮膚の乾燥として現れることが多いとされています。皮膚がカサカサして光沢を失い、細かい鱗屑やわずかな皮むけがみられ、入浴後や就寝時などにむずむずとしたかゆみを感じることがあります。この乾燥の段階で保湿などのケアを行うことが、炎症(湿疹)への進行を防ぐうえで大切とされています。
乾燥した皮膚をかき続けると炎症が起こって湿疹化し、赤みやぶつぶつを伴う皮脂欠乏性湿疹へと進みます。さらにかき壊しが続くと、湿疹が広がって円形の局面をつくる貨幣状湿疹となったり、皮膚が厚く硬くなる苔癬化(たいせんか)や色素沈着がみられたりすることがあります。強くかき壊した湿疹が全身に広がる自家感作性皮膚炎につながる場合もあります。早めに乾燥と炎症へ対処することがすすめられます。経過や見通しは医師の診察・判断によります。
皮脂欠乏性湿疹の原因
皮膚の水分を保つはたらき(角層細胞間脂質や天然保湿因子)と、皮膚の表面をおおって水分の蒸発を防ぐはたらき(皮脂や汗)が低下し、皮膚が乾燥することが土台にあります。乾燥した皮膚に、衣類のこすれや洗浄などの刺激、かき壊しが加わることで炎症が起こり、湿疹になると考えられています。乾燥を招く要因は、加齢などの生理的要因、冬の外気や暖房による低湿度・過度の入浴や脱脂力の強い洗浄などの環境要因、ほかの皮膚疾患・全身性疾患や抗がん剤・放射線治療などの非生理的要因に大きく分けられます。
病態メカニズム
正常な皮膚は、角層の水分保持機能と、皮脂や汗による表面の被覆機能によって乾燥から守られています。加齢や環境などの要因でこれらが低下すると、角層の水分量が減って皮膚が乾燥し、皮膚のバリア機能が低下します。バリアが低下すると外からの刺激や物質が入りやすくなり、かゆみを生じます。かくことでバリアがさらに壊れ、炎症が起こって湿疹化するという悪循環に陥ります。すなわち、乾燥・バリア機能低下・かき壊しによる炎症が関与する病態と位置づけられています。
なりやすい人・リスク要因
皮脂や汗の分泌が減る高齢者に多くみられます。冬の乾燥した季節、暖房による低湿度の室内、入浴時の熱いお湯・長湯やナイロンタオルでのこすり洗い、脱脂力の強い石けん・洗浄剤の使いすぎなども悪化の要因として挙げられています。また、糖尿病や慢性腎臓病(透析を受けている方を含む)などの全身性疾患、抗がん剤や放射線治療などに伴って乾燥しやすくなることもあります。
皮脂欠乏性湿疹の診断・検査
多くは、皮膚の乾燥・鱗屑・ひび割れ・湿疹といった見た目(視診)と触診、かゆみの程度の問診によって診断されます。乾燥の要因となる生活環境や、糖尿病・腎臓病などの合併症・原疾患、薬剤や放射線治療の有無などもあわせて確認されます。特別な検査を要しないことが多いとされていますが、診断や評価は医師の診察によります。
似た疾患・鑑別
皮膚の乾燥や湿疹を生じる似た疾患として、アトピー性皮膚炎、貨幣状湿疹、脂漏性皮膚炎、うっ滞性皮膚炎、魚鱗癬などがあり、鑑別が必要になることがあります。治療をしても改善しにくい乾燥や紅斑が続く場合には、まれに皮膚リンパ腫(菌状息肉症など)などほかの疾患が背景にあることもあり、精査が検討されます。似た症状でも治療方針が異なることがあるため、鑑別や診断は医師が行います。
皮脂欠乏性湿疹の治療・治し方
治療は、皮膚の乾燥を補う保湿剤によるスキンケアが基本となります。保湿剤には、水分を保つ成分を含むヘパリン類似物質や尿素などの薬剤や、皮膚の表面をおおって水分の蒸発を防ぐ白色ワセリンなどがあります。乾燥に炎症(湿疹)が加わっている場合には、炎症を抑えるステロイド外用薬などの抗炎症薬を併用します。かゆみが強い場合には、かき壊しを抑えるために抗ヒスタミン薬の内服を併用することがあります。あわせて、入浴や洗浄の方法など生活面の見直しも行います。どの薬をどのように使うかは、症状や部位、体質をふまえて医師が判断します。
急性期・発作時の治療
かゆみや赤みが強く湿疹化している時期には、炎症を抑えるステロイド外用薬などの抗炎症薬を用い、かゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬の内服を併用することがあります。炎症が落ち着いたあとは、保湿剤によるスキンケアを中心とした治療へ移行します。使用する薬の種類や強さは、部位や炎症の程度をふまえて医師が判断します。
予防・慢性期の治療
炎症が落ち着いたあとや乾燥が主体の時期には、保湿剤による継続的なスキンケアで乾燥と再発を防ぎます。保湿剤は、入浴後に皮膚から水分が失われやすいため、入浴後に塗ることがすすめられています。1日1回よりも2回塗るほうが高い保湿効果が期待できるとされ、塗り方の目安として、皮膚が少しつやを帯びる程度に塗る方法が用いられます。乾燥は季節や環境で再発しやすいため、継続の要否や期間は経過をみながら医師が判断します。
日常のケアとして、入浴後は皮膚から水分が失われやすいため、保湿剤を塗って乾燥を防ぐことがすすめられています。入浴は熱すぎないお湯で長湯を避け、ナイロンタオルやブラシでこすらず、石けん・洗浄剤はよく泡立てて手でやさしく洗い、乾燥の強い部位への使用は控えめにします。冬は加湿器などで室内の湿度を保ち、羊毛やごわごわした素材などの刺激になりやすい衣類は避けるとよいとされています。かゆくてもかき壊さないことが大切です。軽い乾燥は市販の保湿剤でのケアも選択肢になりますが、かゆみや赤みが強い場合や改善しない場合は、自己判断で放置せず医療機関(皮膚科)を受診してください。
予防・生活習慣
皮膚の乾燥を防ぐことが予防につながります。入浴後の保湿、熱すぎないお湯での短めの入浴、こすり洗いや洗浄剤の使いすぎを避けること、冬の室内の加湿、刺激の少ない衣類選びなどが挙げられます。長時間の強い日ざしを浴びることも乾燥を助長するとされるため、紫外線の強い時間帯は帽子を着用する、日陰を歩くなどの配慮もすすめられています。乾燥しやすい季節には、症状が出る前からの保湿ケアが役立つと考えられています。
治療期間・見通し
保湿剤による治療への反応は比較的よく、一般的に経過は良好とされていますが、対症療法であるため、治療の中断や季節の変化、合併する病気の悪化などによって再発することがあります。乾燥する秋冬に悪化し、春以降に軽くなる傾向がみられることもあります。改善までの期間や見通しは、症状や要因によって異なり、医師の診察・判断によります。
受診の目安・オンライン診療
受診の目安
市販の保湿剤でのケアで改善しない場合や、かゆみ・赤みが強い場合、ひび割れやかき壊しを繰り返す場合、湿疹が広がってきた場合は、早めに皮膚科の受診をご検討ください。乾燥の段階で対処することが、湿疹への進行や再発の予防につながると考えられています。受診の目安や治療の要否は医師の判断によります。料金や保険については料金・保険、受診の流れは受診の流れをご覧ください。
次のような場合は、早めに対面での皮膚科受診をご検討ください。オンラインで完結しにくく、直接の診察や検査・処置が必要になることがあります。
- 湿疹が急速に広がり、全身に赤いぶつぶつが多発している場合(自家感作性皮膚炎が疑われることがあります)。
- じくじくと浸出液が出る、膿をもつ、強い赤み・腫れ・痛み・熱感があるなど、細菌などの感染が疑われる場合。
- 発熱や強い全身のだるさなど、皮膚以外の症状を伴う場合。
- 保湿や外用治療を続けても改善しない乾燥・かゆみ・紅斑が続く場合(ほかの疾患の鑑別のための精査が必要になることがあります)。
これらの場合は自己判断で様子を見ず、速やかに医療機関を受診してください。
オンライン診療でできること
皮脂欠乏性湿疹の治療は保湿剤によるスキンケアが基本となるため、症状が安定している場合や継続治療では、オンライン診療で医師が状態を確認し、必要に応じて保険適用での外用薬(保湿剤やステロイド外用薬など)の処方や、入浴・洗浄方法・保湿の仕方といった生活・スキンケアの指導を行える場合があります。実施の可否や処方の内容は、症状の程度をふまえた医師の判断によります。詳しくは受診の流れをご覧ください。
対面受診が必要なケース
初めての受診で診断の確認や他の疾患との鑑別が必要な場合、湿疹が急速に広がっている場合や感染が疑われる場合、糖尿病・腎臓病などの背景疾患の精査が必要な場合、治療をしても改善しない乾燥や紅斑が続く場合などは、対面での診察や検査が必要になることがあります。オンラインでの対応が難しいと医師が判断した場合は、対面受診をご案内します。
費用の目安
皮脂欠乏性湿疹の診療は保険適用の対象となります。自己負担は加入する公的医療保険の割合(一般に3割など)に応じて計算され、診察料や処方薬(保湿剤・外用薬など)の費用がかかります。費用は診療内容や医療機関によって異なるため、目安は料金・保険をご確認ください。なお、美容目的の保湿など保険適用外となる場合は費用が異なります。
※ 記載は一般的な医学的知見に基づく情報です。実際の診断・治療は医師の診察と判断によります。症状が重い・急な場合は対面受診や救急をご検討ください。
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診察後に処方箋を発行。お薬は最短当日に薬局受取、または自宅配送でお受け取りいただけます。
オンライン診療と
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※ 対面診療の待ち時間・診療時間は一般的な目安です。症状や医療機関により異なります。
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処方できるお薬
診察のうえ、症状に合わせて医師が処方します。
高い保水力で角層に水分を保ち、肌のうるおいとバリア機能を助ける保湿外用薬です。アトピー性皮膚炎や皮脂欠乏性湿疹など、乾燥を伴う肌トラブルのケアに用いられます。
ヘパリン類似物質の詳細はこちら›ヘパリン類似物質が肌の水分保持を助け、乾燥を防いでバリア機能を整えるローションです。アトピー性皮膚炎や皮脂欠乏性湿疹に伴う乾燥・かゆみのケアに広く用いられます。
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皮脂欠乏性湿疹で利用された
患者様の声
冬になると毎年すねがカサカサして粉をふき、夜になるとかゆくて眠れませんでした。ClinicSpotで相談すると皮脂欠乏性湿疹と言われ、保険適用で保湿剤とかゆみ止めを処方してもらえました。入浴の仕方も見直すよう助言があり、通院せず楽になりました。
乾燥する季節に腕や脇腹がかゆくなり、掻いて赤くなることが続いていました。オンライン診療でこれまでの経過を伝えると、保湿剤と炎症部分の塗り薬を出してもらえました。忙しくても夜に受診でき、薬が翌日届くので乾燥がひどくなる前に対処できます。
暖房の効いた部屋で過ごすことが多く、太もものカサつきとかゆみに悩んでいました。予約不要でスマホから受診でき、洗いすぎを避けることや保湿のコツを教えてもらえました。保険適用で保湿剤をまとめて処方してもらえ、冬の間ずっと助かりました。
受診に関するよくある質問
石川雅俊(いしかわ まさとし) 医師/博士(医療福祉経営学)/公衆衛生学修士(MPH) 2005年筑波大学医学専門学群卒業。臨床研修を経て内科を中心に診療に従事したのち、2008年KPMGヘルスケアジャパン株式会社に参画し、ヘルスケア産業のアドバイザリー業務に従事(2012年マネージャー、2013年KPMGオーストラリア駐在)。2014年より国際医療福祉大学大学院医療経営管理分野准教授。2016年から2018年まで厚生労働省医政局総務課課長補佐として医療提供体制に関する政策立案に携わる。2018年日本医師会ハーバード大学武見フェロー、2020年ジョンズホプキンス大学公衆衛生大学院修士課程修了。 現在、東京医療保健大学特任教授、筑波大学医学医療系客員教授。日本医療経営学会理事・編集委員、日本医療・病院管理学会評議員、BMC Health Services Research編集委員を務める。医師の働き方改革、タスクシフティング、地域包括ケアにおける臨床指標開発などをテーマに、査読付き論文49編以上を発表。
- 皮脂欠乏症診療の手引き2021(日本皮膚科学会)
- 皮脂欠乏性湿疹(ひしけつぼうせいしっしん)とは|済生会
- 皮脂欠乏性皮膚炎|家庭の医学|時事メディカル
- 皮脂欠乏性湿疹・貨幣状湿疹[私の治療]|Web医事新報
- 皮脂欠乏性湿疹(皮膚炎)の原因&対処法|シオノギヘルスケア
最終更新日:2026年7月 / 本ページの情報は一般的な医学的知見に基づくものであり、個別の診断・治療を保証するものではありません。
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