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※2023年1月〜2026年5月末までのグループ全体累計受診数。
高熱について
高熱とは、一般に体温が38.0℃以上に上がった状態を指します(37.5℃以上を「発熱」、38.0℃以上を「高熱」と表現します)。発熱は、脳の視床下部にある体温の調節中枢が、感染などへの反応として体温の設定値(セットポイント)を高めに再設定することで起こる体温の上昇です。多くは、かぜやインフルエンザなどの急性の感染症に対する体の防御反応として生じますが、原因はさまざまで、まれに重い病気が隠れていることもあります。高熱そのものは病名ではなく症状であり、その背景にある原因を医師の診察・判断により見きわめることが大切です。
- 「発熱」は体温37.5℃以上、「高熱」は38.0℃以上の状態を指す一般的な目安です。
- 発熱は視床下部が体温の設定値を高める体の反応で、多くは感染に対する防御機構の一つです。
- 4日以内の急性の発熱は感染症が原因のことが多いとされています。
- 意識がおかしい、強い頭痛と首のこわばり、息苦しさ、けいれんなどがあるときは救急対応が必要です。
- 原因の特定や治療の必要性は、医師の診察・判断によります。
高熱の症状
主な症状は体温の上昇(38.0℃以上の高熱)です。発熱に伴って、悪寒(さむけ)や体のふるえ、倦怠感(だるさ)、頭痛、関節痛や筋肉痛、発汗、食欲不振などがあらわれることがあります。感染による発熱の上がり始めには、手足の末梢が冷たく感じられることがあります。原因となる病気によって、せき・のどの痛み・鼻水(気道の感染)、腹痛・下痢・吐き気(消化管の感染)、排尿時の痛みや頻尿(尿路の感染)など、随伴する症状は異なります。
病型・タイプ
発熱は、経過の長さによっておおまかに分けて考えられます。
- 急性の発熱:おおむね4日以内の発熱で、多くは感染症が原因とされます。かぜなどのウイルス感染のほか、細菌による感染も含まれます。
- 遷延する発熱・不明熱:発熱が長く続く場合は、感染症のほか、膠原病(結合組織の病気)や悪性腫瘍などが原因として検討されることがあります。
なお、視床下部の設定値の変化によらず、環境からの熱の取得や熱産生で体温が上がる状態は「高体温(うつ熱)」と呼ばれ、発熱とは区別されます(例:熱中症)。
初期症状・前兆
発熱の始まりでは、悪寒(さむけ)やふるえ、手足の冷え、体のだるさ、関節や筋肉の痛みなどが先にあらわれることがあります。こうした前ぶれのあとに体温が上がっていくことが多いとされています。
多くのかぜなどの急性のウイルス感染による発熱は、数日の経過で軽快していくことが一般的です。一方で、発熱が長引く場合や、原因によっては、肺炎や尿路感染症などへの進展、重い感染症では敗血症(全身に炎症が及ぶ状態)につながることもあります。40℃を超えるような高い体温や、意識状態の変化、血圧の低下などがみられる場合は注意が必要です。経過の見きわめは医師の診察・判断によります。
高熱の原因
発熱の原因として頻度が高いのは感染症です。特に4日以内の急性の発熱では、上気道(のど・鼻)の感染、消化管の感染、尿路の感染などが多くみられます。インフルエンザや新型コロナウイルス感染症、扁桃咽頭炎、肺炎などが代表的です。発熱が長く続く場合には、感染症のほかに、膠原病(結合組織の病気)や悪性腫瘍などが原因として検討されることがあります。実際の原因の特定には、医師の診察と検査が必要です。
病態メカニズム
発熱は、脳の視床下部にある体温調節中枢が、体温の設定値(セットポイント)を通常より高く再設定することで起こります。細菌の成分(グラム陰性菌のリポ多糖など)などの外からの発熱物質(パイロジェン)や、体の中でつくられるインターロイキン1(IL-1)や腫瘍壊死因子(TNF-α)などの内因性の発熱物質が、この設定値の変化を引き起こすとされています。設定値が上がることで、体は熱をつくり出し、皮膚の血管を収縮させて熱の放散を抑え、体温を上げます。
なりやすい人・リスク要因
感染症にかかりやすい状況にある人は発熱を生じやすいと考えられます。なお、高齢で心身が弱っている方(フレイルの状態)では、感染していても発熱が起こりにくいことがあり、体温が高くなくても油断できない点に注意が必要です。心臓・肺・腎臓の病気や糖尿病などの持病がある方は、発熱時に状態が悪化しやすいことがあります。
高熱の診断・検査
診断では、まず問診(いつから、何度くらいの熱か、随伴する症状や持病など)と診察が行われます。原因を調べるために、血液検査や尿検査、胸部エックス線検査、インフルエンザや新型コロナウイルスなどの迅速検査、必要に応じて培養検査などが行われることがあります。どの検査が必要かは、症状や経過をふまえて医師が判断します。
似た疾患・鑑別
発熱の背景となる病気や、体温が上がる似た状態には次のようなものがあります。原因の見分けは医師の診察・検査によります。
- インフルエンザ
- 新型コロナウイルス感染症
- 扁桃炎・咽頭炎
- 肺炎
- 尿路感染症
- 膠原病(結合組織の病気)
- 熱中症(高体温・うつ熱)
高熱の治療・治し方
治療は、発熱の原因となっている病気に対する治療が基本となります。感染症では原因に応じた対応が行われ、発熱そのものによるつらさに対しては、解熱薬(一般名:アセトアミノフェンなど)や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が用いられることがあります。あわせて、水分補給と安静が勧められます。多くの短期的な感染症でみられる38〜40℃程度の発熱は、健康な成人であれば体が耐えられる範囲とされますが、つらさが強いときや長引くときは受診が勧められます。どの治療が適切かは、医師の診察・判断によります。
急性期・発作時の治療
高熱でつらいときは、安静にして体を休め、こまめに水分をとることが大切です。解熱薬(一般名:アセトアミノフェンなど)は、発熱によるつらさをやわらげる目的で使われることがあります。アセトアミノフェンは、添付文書などで定められた用量の範囲で用いることが重要です(過量にならないよう注意が必要です)。悪寒でふるえているときは無理に冷やさず保温し、汗をかいて暑いと感じるときは薄着にして、首の付け根やわきの下などを冷やす方法がとられることもあります。
予防・慢性期の治療
発熱が長引く場合や、くり返す場合には、その原因を調べる検査が行われ、原因に応じた治療が検討されます。持病がある方は、発熱時の対応についてあらかじめかかりつけ医に相談しておくとよいでしょう。慢性・遷延する発熱の管理は、医師の診察・判断によります。
高熱のときの一般的なセルフケアとして、次のような点が挙げられます。ただし、症状が強いときや長引くとき、危険なサインがあるときは、自己判断で様子を見ずに医療機関を受診してください。
- 安静:無理をせず体を休めます。
- 水分補給:高熱時は脱水を起こしやすいため、こまめに水分をとります。
- 体温の調節:悪寒があるときは保温し、暑いと感じるときは薄着にして室温を調節します。
- 解熱薬:発熱によるつらさが強いときは、市販薬を使う場合も含め、用法・用量を守って使用します。持病がある方や薬を飲んでいる方は、事前に医師・薬剤師に相談してください。
予防・生活習慣
発熱の多くは感染症によるため、日ごろの感染予防が役立ちます。手洗い、適切な換気、体調管理、必要に応じたワクチン接種などが一般的な予防として挙げられます。予防の具体的な方法は、状況や持病に応じて医師に相談してください。
治療期間・見通し
多くのかぜなどの急性のウイルス感染による発熱は、数日程度で軽快していくことが一般的とされています。ただし、原因となる病気や体の状態によって経過は異なり、発熱が長引く場合もあります。見通しは医師の診察・判断によります。
受診の目安・オンライン診療
受診の目安
高熱が続く、水分がとれない、だるさや息苦しさが強いといった場合は、早めの受診が勧められます。40℃を超える高い体温がある場合や、持病があっていつもより状態が悪いと感じる場合も、早めに医療機関に相談してください。判断に迷うときは、体温の数値だけでなく全身の状態をあわせて考えることが大切です。受診の流れは受診の流れをご確認ください。
次のような症状があるときは、体温にかかわらず、ただちに医療機関を受診するか、救急車(119番)を呼ぶなど救急対応が必要です。
- 意識がもうろうとする、呼びかけへの反応がおかしい、錯乱がある
- けいれんを起こしている
- 強い頭痛に加えて首のこわばり(うなじが硬い)がある
- 息苦しさ・呼吸が苦しい、顔色が青白い、唇が紫色になっている
- 皮膚に点状の出血や急に広がる発疹があらわれ、急激に状態が悪化する
- 持続する嘔吐で水分がとれない、尿がほとんど出ない
- 血圧が下がってぐったりし、体に力が入らず動けない
オンライン診療でできること
発熱の症状は、内科などのオンライン診療で保険適用の対象となることが一般的です。スマートフォンやパソコンを使って、医師が問診で症状や経過を確認し、必要に応じて解熱薬(一般名:アセトアミノフェンなど)などの処方や、自宅でのケア・受診の目安についての生活指導が受けられます。ただし、症状や原因によっては別の治療や薬が必要になることもあり、処方の内容は医師の判断によります。費用・保険については料金・保険をご確認ください。
対面受診が必要なケース
次のような場合は、対面での受診が必要になることがあります。
- インフルエンザや新型コロナウイルスなどの迅速検査、血液検査・尿検査・画像検査など、検査が必要なとき
- 意識障害・けいれん・息苦しさなど、危険なサインがあるとき(救急対応が必要)
- 高熱が長引く、原因がはっきりせず精密な検査が必要なとき
- 症状が重い、または急激に悪化しているとき
オンライン診療で対面受診が必要と判断された場合は、医療機関の受診を案内されます。
費用の目安
発熱の診療は保険適用となることが一般的で、窓口での自己負担は原則として医療費の3割(年齢や所得により1〜3割)です。これに加えて、オンライン診療にかかる費用や、処方薬・薬の配送にかかる費用などが必要になる場合があります。実際の費用は状況により異なります。詳しくは料金・保険をご確認ください。
※ 記載は一般的な医学的知見に基づく情報です。実際の診断・治療は医師の診察と判断によります。症状が重い・急な場合は対面受診や救急をご検討ください。
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処方できるお薬
診察のうえ、症状に合わせて医師が処方します。
インフルエンザウイルスの増殖に関わる働きを抑える抗ウイルス薬です。1回の単回服用で治療が完結するのが特長で、症状を早く軽くする目的で用いられます。発症から早い段階での服用が重要です。
バロキサビルの詳細はこちら›体内でのインフルエンザウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬です。発熱や関節痛などの症状を早く軽くし、有熱期間を短縮する目的で用いられます。発症から早い段階で飲み始めることが重要なお薬です。
オセルタミビルの詳細はこちら›ウイルスが広がるのを抑えるノイラミニダーゼ阻害薬で、専用の器具で口から吸入して使います。気道に直接届くタイプで、発症早期の服用によりインフルエンザの症状緩和・回復を目指します。
リレンザの詳細はこちら›ウイルスが細胞から広がるのを抑えるノイラミニダーゼ阻害薬です。飲み薬として広く使われ、発症早期に服用することでインフルエンザの症状緩和・回復期間の短縮を目指します。
タミフルの詳細はこちら›専用の吸入器で口から吸い込み、のどや気道でウイルスの増殖を抑える抗インフルエンザ薬です。インフルエンザの症状を早く軽くし、有熱期間を短縮する目的で用いられます。発症早期の開始が重要です。
ザナミビル吸入の詳細はこちら›ウイルスの増殖に関わる酵素を阻害する新しいタイプの抗インフルエンザ薬です。体重に応じて1回服用するだけで治療が完了し、インフルエンザの症状の緩和・回復を目指します。
ゾフルーザの詳細はこちら›アセトアミノフェンは、脳に働きかけて発熱や痛みをやわらげる解熱鎮痛薬です。胃腸への負担が比較的少なく、かぜや頭痛、月経痛など幅広い症状に用いられ、子どもから高齢の方まで使いやすいお薬です。
アセトアミノフェンの詳細はこちら›咳中枢に働いて咳をおさえるとともに、気道の分泌を促して痰を出しやすくする鎮咳去痰薬です。感冒や気管支炎に伴う咳と痰の両方の症状に用いられます。
チペピジンヒベンズ酸塩の詳細はこちら›イブプロフェンは、炎症や痛みのもととなる物質の生成を抑えるNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)です。頭痛や発熱、のどの痛みなどをやわらげ、比較的使いやすく、かぜや痛みの治療に広く用いられます。
イブプロフェンの詳細はこちら›延髄の咳中枢に作用し、咳反射をおさえる中枢性鎮咳薬です。感冒や気管支炎に伴う激しい咳・から咳をしずめます。依存性や呼吸抑制の注意があり、医師の指示に沿った使用が必要です。
ジヒドロコデインリン酸塩の詳細はこちら›咳中枢に働いて咳反射をおさえる非麻薬性の中枢性鎮咳薬です。感冒や気管支炎に伴う咳をやわらげます。依存性が少なく使いやすい一方、眠気があらわれることがあります。
ジメモルファンリン酸塩の詳細はこちら›気道の粘液の性状を正常化し、ねばついた痰を出しやすくする去痰薬です。急性上気道炎や感冒に伴う痰・咳の不快感をやわらげ、気道のクリアランスを助けます。
カルボシステインの詳細はこちら›桔梗と甘草の2種の生薬からなり、のどの炎症を鎮め、膿を出しやすくする働きが期待される漢方薬です。のどの痛み・腫れ、扁桃炎、咽頭炎など、かぜに伴うのどの症状に処方されます。
桔梗湯の詳細はこちら›麻黄・附子・細辛の3種からなり、体をしっかり温めて冷えを追い出す漢方薬です。強い悪寒・微熱・倦怠感、水っぽい鼻水を伴うかぜに用いられ、高齢の方や体力が低下した方に処方されます。
麻黄附子細辛湯の詳細はこちら›麻黄・桂皮・杏仁・甘草からなり、体を温めて強く発汗を促す漢方薬です。汗が出ておらず、悪寒・発熱・頭痛・関節や体の痛みを伴うかぜのひきはじめに用いられ、比較的体力のある方に処方されます。
麻黄湯の詳細はこちら›セレコキシブは、炎症や痛みに関わるCOX-2を選択的に抑えるNSAIDsです。胃腸への負担が比較的少ないのが特長で、頭痛やかぜに伴う痛みなどに用いられます。医師の診察に基づいて処方されます。
セレコキシブの詳細はこちら›炎症をやわらげる作用をもつ抗炎症・抗プラスミン薬です。急性上気道炎や急性咽頭炎、感冒にともなうのどの痛みや腫れ、赤みの緩和に用いられます。1日3回の服用で炎症症状の改善が期待できます。
トラネキサム酸の詳細はこちら›※ 実際の処方は診察に基づき決定します。市販できない医療用医薬品も医師の判断で処方可能です。
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患者様の声
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仕事終わりに急な発熱。翌日も休めず焦っていましたが、予約不要で夜に診てもらえました。解熱薬を保険適用で処方してもらい、自宅で受け取れて助かりました。つらいときに外出せず、医師にきちんと診てもらえる安心感は大きかったです。
受診に関するよくある質問
石川雅俊(いしかわ まさとし) 医師/博士(医療福祉経営学)/公衆衛生学修士(MPH) 2005年筑波大学医学専門学群卒業。臨床研修を経て内科を中心に診療に従事したのち、2008年KPMGヘルスケアジャパン株式会社に参画し、ヘルスケア産業のアドバイザリー業務に従事(2012年マネージャー、2013年KPMGオーストラリア駐在)。2014年より国際医療福祉大学大学院医療経営管理分野准教授。2016年から2018年まで厚生労働省医政局総務課課長補佐として医療提供体制に関する政策立案に携わる。2018年日本医師会ハーバード大学武見フェロー、2020年ジョンズホプキンス大学公衆衛生大学院修士課程修了。 現在、東京医療保健大学特任教授、筑波大学医学医療系客員教授。日本医療経営学会理事・編集委員、日本医療・病院管理学会評議員、BMC Health Services Research編集委員を務める。医師の働き方改革、タスクシフティング、地域包括ケアにおける臨床指標開発などをテーマに、査読付き論文49編以上を発表。
- 発熱 - 13. 感染性疾患 - MSDマニュアル プロフェッショナル版
- 成人の発熱 - 16. 感染症 - MSDマニュアル家庭版
- 保育所における感染症対策ガイドライン(発熱時の対応)- 厚生労働省
最終更新日:2026年7月 / 本ページの情報は一般的な医学的知見に基づくものであり、個別の診断・治療を保証するものではありません。
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