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元気なのに下痢が続くについて
この内容は「下痢症」と関連します。基本情報はそちらのページで詳しく解説しています。
「元気なのに下痢が続く」とは、発熱や強い体調不良がないまま、軟らかい便や水のような便が長く続く状態を指します。医学的には、下痢が4週間を超えて続くものを慢性下痢といい、数日で治まる急性下痢とは区別されます。全身の元気さが保たれていても、背景には過敏性腸症候群(IBS)、食事に関連する要因(乳糖不耐症など)、炎症性腸疾患、甲状腺機能亢進症、薬の副作用など、さまざまな原因が考えられます。元気に見えても体重減少や血便、夜間の下痢などがある場合は、精密検査が必要になることがあります。原因の特定や治療の可否は、症状や経過をふまえた医師の診察・判断によります。
- 下痢が4週間を超えて続くものを慢性下痢といい、急性下痢と区別されます。
- 元気に見えても、過敏性腸症候群・食事要因・炎症性腸疾患・甲状腺機能亢進症・薬の副作用など、原因は多岐にわたります。
- 血便・発熱・体重減少・夜間の下痢・脱水のサインがある場合は、早めの受診が必要とされています。
- 慢性下痢では、便検査・血液検査・大腸内視鏡検査などで原因を調べることがあります。
- 脱水を防ぐ水分・電解質の補給と、原因に応じた治療が基本となります。
元気なのに下痢が続くの症状
下痢は、便に含まれる水分や排便の回数が増え、便が軟らかくなったり水のようになったりする状態です。「元気なのに続く下痢」では、全身状態が保たれたまま、次のような症状がみられることがあります。
- 軟便や水のような便(水様便)が、1日に何度もみられる。
- 下腹部の痛みや、おなかの張り(腹部膨満)、ガス(おなら)を伴う。
- 急に便意が起こる(便意切迫)、排便回数が増える。
- 便に粘液が混じることがある。
過敏性腸症候群では、腹痛や便の硬さ・回数の変化を繰り返すのが特徴とされています。吐き気・頭痛・疲労感・気分の落ち込みなどを伴うこともあります。
病型・タイプ
下痢は続く期間によって分類され、4日間未満を急性下痢、4週間を超えるものを慢性下痢とし、1〜4週間はその移行期とされています。慢性下痢の代表的な原因である過敏性腸症候群は、便の性状によって次のように分類されます。
- 下痢型:軟便や水様便が主体のタイプ。男性に多いとされています。
- 便秘型:便秘が主体のタイプ。女性に多いとされています。
- 混合型:下痢と便秘を繰り返すタイプ。
- 分類不能型:上記のいずれにも当てはまらないタイプ。
どの病型にあたるか、また原因が何かは、医師の診察・検査によって判断されます。
初期症状・前兆
はじめは、軟らかい便や排便回数の増加として気づかれることが多いとされています。過敏性腸症候群では、ストレスや食事のあとに便意や腹痛が起こりやすい傾向があります。全身の元気さが保たれているため見過ごされがちですが、体重が減ってきた、夜間にも下痢で目が覚める、便に血が混じるといった変化がある場合は、早めに医療機関へご相談ください。これらは、より詳しい検査が必要なサインとされています。
下痢が長く続くと、体液の喪失による脱水や、ナトリウム・カリウム・マグネシウムなどの電解質の喪失が起こることがあります。慢性の下痢では体重が減少することがあり、小児では体重が増えにくくなることがあります。また、下痢の背景に炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)や吸収不良、腫瘍などが隠れている場合、放置すると原因となる病気が進行するおそれがあります。原因を確かめずに自己判断で様子を見続けることは避け、続く場合は医師にご相談ください。
元気なのに下痢が続くの原因
元気なのに続く下痢の原因はさまざまです。おもな原因として、次のようなものが挙げられています。
- 過敏性腸症候群(IBS):腸に潰瘍や腫瘍などの器質的な異常がないのに、下痢・便秘・腹痛などを繰り返す病気です。
- 食事に関連する要因:乳糖不耐症、果糖の過剰摂取、吸収されにくい炭水化物を多く含む食品など。
- 炎症性腸疾患:クローン病、潰瘍性大腸炎など。
- 吸収不良:セリアック病、膵機能不全など。
- 薬の副作用:抗菌薬、化学療法薬など。
- 甲状腺機能亢進症などの内分泌の病気。
- 腫瘍:大腸がん、内分泌腫瘍など。
どの原因によるものかは、検査を含めた医師の診察で判断されます。
病態メカニズム
下痢は、腸の中の水分が十分に吸収されないまま便として排出されることで起こります。過敏性腸症候群では、腸に構造的な異常がないにもかかわらず、腸の運動や刺激に対する感覚が過敏になり、腸の運動異常と感覚異常が生じると考えられています。ストレスや不安などの精神的な要因、食事、先行する胃腸炎などが関わるとされています。吸収不良では栄養素や水分が腸で十分に吸収されず、感染や炎症では腸への刺激によって、それぞれ下痢が生じます。
なりやすい人・リスク要因
過敏性腸症候群は女性に多く、20〜40歳代に好発するとされています。身体的・精神的なストレス、不安や抑うつ、生まれつきの腸の感受性の高さ、急いだ食事や食事の長い中断、胃腸炎にかかったあとなどが、症状に関わる要因として挙げられています。また、高脂肪食や、小麦・乳製品・豆類など吸収されにくい炭水化物を含む食品が症状を誘発することもあるとされています。乳糖不耐症のある方は、乳製品で下痢を起こしやすい傾向があります。
元気なのに下痢が続くの診断・検査
慢性の下痢では、原因を調べるために、便検査(脂肪・血液・感染微生物の有無)、血液検査、大腸内視鏡検査、炭水化物の吸収を調べる呼気試験などが行われることがあります。必要に応じてCTやMRIなどの画像検査を行うこともあります。過敏性腸症候群の診断では、Rome IV基準(最近3か月間に平均して週1回以上の腹痛があり、排便に関連する・排便回数の変化に伴う・便の硬さの変化に伴う、のうち2項目以上を満たす)が用いられ、大腸内視鏡検査や血液・尿検査などで、がんや炎症性腸疾患、甲状腺・膵臓の病気などの器質的な病気を除外します。診断は医師が総合的に判断します。
似た疾患・鑑別
続く下痢では、過敏性腸症候群のほか、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)、感染性腸炎、セリアック病などの吸収不良、甲状腺機能亢進症、大腸がんなどとの鑑別が必要になることがあります。似た症状でも治療方針が異なり、なかには精密検査を要する病気も含まれるため、鑑別や診断は医師が検査をふまえて行います。
元気なのに下痢が続くの治療・治し方
治療は、下痢の原因を確かめ、それに応じて行うのが基本です。まず脱水を防ぐために水分と電解質を補い、原因となっている要因(薬剤・食事など)があれば見直します。過敏性腸症候群では、病態の理解、生活習慣の改善、食事療法を土台に、必要に応じて薬物療法や心理療法を組み合わせます。感染性腸炎や炎症性腸疾患など、原因となる病気が特定された場合は、その病気に対する治療を行います。用いる薬や治療法は、原因・症状・体質をふまえて医師が判断します。
急性期・発作時の治療
下痢が強いときは、まず脱水を防ぐことが大切です。経口補水液は、水分と糖分・塩分(電解質)をバランスよく含み、軽度から中等度の脱水への水分補給に用いられます。一気に飲まず、少量ずつこまめに補給するとよいとされています。症状に応じて、ロペラミドなどの止痢薬が用いられることがありますが、細菌性腸炎など一部の感染が疑われる場合には使用を避けるべきとされており、自己判断での使用は適切ではありません。使用の可否は医師が判断します。
予防・慢性期の治療
下痢が長く続く場合は、原因に応じた継続的な対応を行います。過敏性腸症候群では、規則正しい生活で排便リズムを整え、消化のよい食事を心がけ、必要に応じて薬物療法を続けます。下痢型に対しては、便の水分バランスを整えるポリカルボフィルカルシウムや、下痢型に用いられる塩酸ラモセトロンなどが選択肢として挙げられています。乳糖不耐症などでは原因となる食品を控えます。継続的な治療の要否や内容は、経過をみながら医師が判断します。
下痢が続くときは、こまめな水分・電解質の補給を心がけ、脱水を防ぎましょう。経口補水液は少量ずつ、5〜10分ごとに分けて飲むとよいとされています。消化のよい食事をとり、脂っこいものやアルコール、刺激物、症状を誘発しやすい食品は控えめにします。過敏性腸症候群では、規則正しい生活やストレスとの付き合い方も大切とされています。ただし、セルフケアは応急的な対処であり、原因を確かめるものではありません。下痢が長引く場合や、後述の危険なサインがある場合は、自己判断で様子を見続けず、医療機関を受診してください。
予防・生活習慣
規則正しい生活と食事、適度な運動、ストレスとの上手な付き合い方が、腸の調子を整えるうえで役立つとされています。過敏性腸症候群では、症状を誘発しやすい食品(高脂肪食や、吸収されにくい炭水化物を多く含む食品など)を把握し、控えめにすることが一案です。乳糖不耐症のある方は乳製品を調整します。感染性の下痢を防ぐためには、手洗いなどの基本的な衛生も大切です。どのような対策が合うかは個人差があるため、気になる場合は医師にご相談ください。
治療期間・見通し
下痢が4日間未満で治まるものを急性下痢、4週間を超えて続くものを慢性下痢といいます。慢性下痢では、背景にある原因によって見通しが異なります。過敏性腸症候群では、症状を完全になくすことは難しいとされ、症状のコントロールを続けながら付き合っていくことが目標とされています。治療期間や見通しは、原因や経過によって異なり、医師の診察・判断によります。
受診の目安・オンライン診療
受診の目安
下痢が長く続く場合や、繰り返す場合は、原因を確かめるために医療機関の受診をご検討ください。とくに、慢性の下痢・夜間の下痢・体重減少がみられる場合は、1週間以内を目安に受診することがすすめられています。全身の元気さが保たれていても、続く下痢の背景に治療が必要な病気が隠れていることがあります。受診の目安や検査の要否は医師の判断によります。料金や保険については料金・保険、受診の流れは受診の流れをご覧ください。
次のような場合は、様子を見ずに、速やかに医療機関(対面)を受診してください。緊急の対応や検査・処置が必要になることがあります。
- 便に血や膿が混じる(血便・粘血便・黒い便)。
- 発熱を伴う。
- 脱水のサイン(尿の量が減る、口の中が乾く、強い口の渇き、ぐったりする)がある。
- 夜間にも下痢で目が覚める。
- 体重が減ってきている。
- 強い腹痛を伴う。
これらのサインは、感染症や炎症性腸疾患、腫瘍など、精密検査や対面での診察を要する病気の可能性を示すことがあります。とくに乳幼児や高齢の方は脱水が進みやすいため、早めの受診をご検討ください。
オンライン診療でできること
症状が安定している場合や継続的な相談では、オンライン診療で医師が経過を確認し、生活・食事の指導や、過敏性腸症候群などに対する保険適用での処方(症状に応じた薬)を行える場合があります。脱水を防ぐ水分補給の方法や、受診・検査の必要性についての相談もできます。実施の可否や処方の内容は、症状や経過をふまえた医師の判断によります。詳しくは受診の流れをご覧ください。
対面受診が必要なケース
初めての受診で原因を詳しく調べる必要がある場合や、血便・発熱・体重減少・強い腹痛・脱水などの危険なサインがある場合、便検査・血液検査・大腸内視鏡検査などの検査が必要な場合、重症が疑われる場合は、対面での診察・検査が必要になります。オンラインだけでは原因の特定や器質的な病気の除外が難しいため、これらの場合は医師が対面受診をご案内します。
費用の目安
下痢の診療や、過敏性腸症候群などの治療は、公的医療保険の対象となります。自己負担は加入する保険の割合(一般に1〜3割など)に応じて計算され、診察料や検査費、処方薬の費用がかかります。費用は診療内容(検査の有無など)や医療機関によって異なるため、目安は料金・保険をご確認ください。
※ 記載は一般的な医学的知見に基づく情報です。実際の診断・治療は医師の診察と判断によります。症状が重い・急な場合は対面受診や救急をご検討ください。
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受診までの3ステップ
受診ボタンから症状を選び、問診にご回答ください。アプリのインストールや予約は不要です。
順番になると医師がオンラインで診察します。待ち時間はスマホで自由にお過ごしいただけます。
診察後に処方箋を発行。お薬は最短当日に薬局受取、または自宅配送でお受け取りいただけます。
オンライン診療と
対面診療の違い
オンライン診療
タブレット
受け取り
※ 対面診療の待ち時間・診療時間は一般的な目安です。症状や医療機関により異なります。
ClinicSpotが
選ばれる5つの理由
はじめての方にも、続けて通う方にも。
処方できるお薬
診察のうえ、症状に合わせて医師が処方します。
腸のセロトニン(5-HT3)受容体の働きを抑えることで、腸の過剰な運動や知覚過敏をやわらげる薬です。下痢型の過敏性腸症候群に用いられ、急な下痢や腹痛の改善を目的とします。
ラモセトロンの詳細はこちら›生きたビフィズス菌を補い、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整える整腸剤です。下痢症や急性胃腸炎にともなうお腹の不調に用いられ、便通のバランスを整えます。比較的おだやかに使えるのが特長です。
ビフィズス菌製剤の詳細はこちら›ミヤBMは酪酸菌(宮入菌)を含む整腸剤です。腸内で善玉菌を助けて環境を整え、下痢や軟便をやわらげます。抗菌薬に強い性質があり、抗菌薬使用時の腸のケアにも用いられます。
ミヤBMの詳細はこちら›酪酸をつくる善玉菌を補い、腸内環境を整える整腸剤です。下痢症や急性胃腸炎に用いられ、乱れた腸の働きを整えます。抗菌薬と併用しても影響を受けにくいタイプもあり、幅広く使われます。
酪酸菌製剤の詳細はこちら›腸の運動を抑え、水分の吸収を促すことで下痢を止める止瀉薬です。下痢症や急性胃腸炎の下痢に用いられますが、感染性が疑われる場合には使えないため医師の判断が重要です。
ロペラミドの詳細はこちら›腸の中でタンニン酸を放出し、粘膜の表面を収斂させて保護することで下痢を抑える止瀉薬です。下痢症や急性胃腸炎に用いられ、腸内環境を整える整腸剤とは働きが異なります。
タンニン酸アルブミンの詳細はこちら›※ 実際の処方は診察に基づき決定します。市販できない医療用医薬品も医師の判断で処方可能です。
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患者様の声
熱もなく元気なのに、通勤電車の前になると決まってお腹を下すのが半年ほど続いていました。ClinicSpotでオンライン相談すると、過敏性腸症候群かもしれないと説明を受け、整腸剤を処方してもらえました。生活のアドバイスももらえ、少しずつ楽になっています。
体調は悪くないのに軟便が続き、受診するほどでもと迷っていました。予約不要で気軽にオンラインで相談でき、食事やお酒との関係を整理してもらえました。保険適用でお薬も最短当日に届き、忙しくても続けてケアできるのがありがたいです。
元気なのに下痢だけがだらだら続き、ネットで調べては不安になっていました。ClinicSpotの医師に相談し、血便や体重減少など注意すべきサインがないか確認してもらえて安心しました。整腸剤を試しつつ、続くようなら検査も考える方針が立てられました。
受診に関するよくある質問
石川雅俊(いしかわ まさとし) 医師/博士(医療福祉経営学)/公衆衛生学修士(MPH) 2005年筑波大学医学専門学群卒業。臨床研修を経て内科を中心に診療に従事したのち、2008年KPMGヘルスケアジャパン株式会社に参画し、ヘルスケア産業のアドバイザリー業務に従事(2012年マネージャー、2013年KPMGオーストラリア駐在)。2014年より国際医療福祉大学大学院医療経営管理分野准教授。2016年から2018年まで厚生労働省医政局総務課課長補佐として医療提供体制に関する政策立案に携わる。2018年日本医師会ハーバード大学武見フェロー、2020年ジョンズホプキンス大学公衆衛生大学院修士課程修了。 現在、東京医療保健大学特任教授、筑波大学医学医療系客員教授。日本医療経営学会理事・編集委員、日本医療・病院管理学会評議員、BMC Health Services Research編集委員を務める。医師の働き方改革、タスクシフティング、地域包括ケアにおける臨床指標開発などをテーマに、査読付き論文49編以上を発表。
- 成人の下痢|MSDマニュアル家庭版
- 過敏性腸症候群(IBS)|MSDマニュアル家庭版
- 過敏性腸症候群について|市民のみなさまへ|日本大腸肛門病学会
- 機能性消化管疾患診療ガイドライン2020―過敏性腸症候群(IBS)(改訂第2版)|日本消化器病学会
- 感染性腸炎・感冒による下痢・おう吐・発熱を原因とした脱水症と経口補水療法|経口補水液オーエスワン(OS-1)|大塚製薬工場
最終更新日:2026年7月 / 本ページの情報は一般的な医学的知見に基づくものであり、個別の診断・治療を保証するものではありません。
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