副鼻腔炎で熱は出る?何度・いつまで続くかと受診の目安
副鼻腔炎で熱は出るのか、何度くらいで何日続くのか、上がったり下がったりする理由を急性と慢性の違いから解説。様子見か受診かの見分け方、解熱鎮痛薬や漢方の対処、何科・オンライン診療まで整理します。
急性上気道炎もオンラインで相談できます
ご自宅からスマホで受診いただけます。
熱が続くと「これは副鼻腔炎(ふくびくうえん)の熱なのだろうか」「様子を見てよいのか、すぐ受診したほうがよいのか」と不安になりますよね。この記事では、副鼻腔炎で熱は出るのか、出るとしたら何度くらいで何日ほど続くのか、上がったり下がったりするのはなぜかを、急性と慢性の違いをふまえて整理します。あわせて、様子を見てよい場合とすぐ受診したい危険なサインの見分け方、熱が出たときの対処法や薬の考え方、何科を受診するか、オンライン診療で相談できる範囲までまとめます。
まず知りたい要点(結論)
この記事のポイント
- 副鼻腔炎では、とくに急性で細菌の感染が加わったときに熱が出ることがあります。慢性の副鼻腔炎(蓄膿症)では、基本的に発熱はみられないとされています。
- 熱の高さには個人差があり、微熱程度から38℃台、ときに39℃以上まで幅があります。数値はあくまでおよその目安として考えます。
- かぜに伴う急性の症状は数日〜1〜2週間で軽快することが多い一方、いったん治りかけて再び悪化する(ぶり返す)ときは注意が必要です。
- 39℃以上の高熱が3〜4日続く、症状が10日以上長引く、治りかけて再び悪化する、目の周りのはれ・強い頭痛・意識のもうろうなどは、受診・救急を検討する目安です。
- 熱そのものへの対処は解熱鎮痛薬・水分・休養が基本です。ウイルスが原因のときは抗菌薬(抗生物質)は効かないため、使うかどうかは医師が判断します。
副鼻腔炎で熱は出る?(結論:出ることがあります)
副鼻腔炎では熱が出ることがあります。とくに急性の副鼻腔炎で、かぜなどのウイルス感染に続いて細菌の感染が加わったときに、発熱しやすいとされています。逆に、症状が長く続く慢性の副鼻腔炎では、基本的に高い熱はみられないと考えられています。
熱が出るしくみは、鼻の奥の炎症と関係しています。鼻やのどの粘膜にウイルスなどが感染して炎症が起こると、鼻づまりによって分泌物(鼻水)の流れがせき止められることがあります。たまった分泌物の中で細菌が増えると、副鼻腔炎などの細菌感染を合併することがあり、この細菌の感染や炎症に体が反応することで発熱が起こると説明されています。副鼻腔炎はこうしたかぜ(急性上気道炎)に続いて起こることが多く、背景となる病気については急性上気道炎(かぜ症候群)の解説ページもあわせてご覧ください。
補足
医学的な資料では、発熱や悪寒は、炎症が副鼻腔の範囲を越えて広がっている可能性を示すサインの一つとされています。高い熱が続くときや、あとで述べる危険なサインを伴うときは、早めに医療機関へ相談することが勧められます。
副鼻腔炎の熱は何度くらい?いつまで続く?
副鼻腔炎の熱の高さは、およそ微熱から39℃以上まで幅があり、多くは数日〜1週間ほどで下がっていきます。ただし出方や続き方には個人差が大きいため、以下の数値はあくまで目安として考えてください。
熱の高さのおよその目安
熱の高さは、急性か慢性か、炎症の強さによって変わってきます。急性で炎症が強いときほど高くなりやすく、慢性や回復期では微熱程度にとどまることが多いとされています。
| 体温のおよその目安 | みられやすい状態 |
|---|---|
| 37℃前後の微熱 | 慢性の経過や回復期にみられることがあります。 |
| 37.5〜38℃前後 | 急性の初期にみられることがあります。 |
| 38℃以上 | 急性で炎症が強いときにみられることがあります。 |
| 39℃以上 | 症状が重いときにみられ、細菌の感染が加わっている可能性があります。 |
補足
体温の目安は個人差が大きく、同じ副鼻腔炎でも人によって熱の出方は異なります。数値だけで重症度を判断せず、続く日数や他の症状(顔面痛・膿のような鼻水・全身のだるさなど)とあわせてみることが大切です。
熱はいつまで続く?(経過の目安)
急性の副鼻腔炎に伴う熱の多くは、数日〜1週間ほどで下がっていく経過をたどります。かぜ症候群は一般に1〜2週間ほどで回復に向かうことが多いと報告されています。発症からの流れを整理すると、次のようになります。
- 発症〜数日
かぜ症状に続いて発熱・鼻症状が出る
のどの違和感や鼻の不快感に続き、鼻づまり・膿のような鼻水・発熱がみられることがあります。急性の初期は37〜38℃前後の熱が数日続くことがあります。
- 数日〜1週間ほど
多くはこの間に熱が下がり軽快に向かう
安静・水分・栄養をとりながら、症状が和らいでいくことが多い時期です。かぜ症候群は一般に1〜2週間で回復に向かうことが多いとされています。
- 治りかけて再び悪化したとき
ぶり返し(double sickening)に注意
いったんよくなった熱や鼻症状・顔面痛が再び強まるときは、細菌の感染が加わったサインの可能性があります。受診を検討する目安です。
- 10日以上/3か月以上
長引く・繰り返すときは受診を
症状が10日以上よくならない場合や、微熱・鼻症状が3か月以上続く場合は、慢性化などの可能性があり、耳鼻咽喉科での相談が勧められます。
熱が上がったり下がったりするのはなぜ?
熱が上がったり下がったりするのは、体の中で炎症が続いていることや、いったん落ち着いた症状がぶり返していることが背景にあると考えられます。おもに次のような理由が挙げられます。
- 炎症が続いている:1日の中で体温が下がりきらずにまた上がるような熱の変動は、感染や炎症が続いているサインとされることがあります。
- 安静が足りず再び熱が上がる:一度熱が下がっても、休養が不十分なまま無理をすると、夕方などに再び熱が上がることがあります。
- 細菌の感染が加わった(ぶり返し):いったん治りかけてから再び悪化する場合は、細菌の感染が加わったサインの可能性があり、受診を検討する目安になります。
補足
熱が上下すること自体は、体が感染と戦っている経過の中で起こりうる変化です。過度に心配しすぎる必要はありませんが、下がっていた熱が再びはっきり上がる、症状が強まるといったときは、経過を医師に相談すると安心です。
急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎の違い(発熱の有無)
副鼻腔炎は続く期間によって急性と慢性に分けられ、発熱はおもに急性でみられ、慢性では基本的にみられないとされています。熱の意味を考えるうえで、どちらの状態かを知っておくと役立ちます。
| 項目 | 急性副鼻腔炎 | 慢性副鼻腔炎(蓄膿症) |
|---|---|---|
| 期間の目安 | おおむね1か月(4週間)以内 | 3か月以上続く |
| 発熱 | 出ることがある(細菌感染が加わったとき) | 基本的にみられない |
| 主な症状 | 膿のような鼻水・鼻づまり・顔面痛・頭重感 | 鼻づまり・後鼻漏(のどへ流れる鼻水)・においの低下が長引く |
急性の副鼻腔炎は、かぜをきっかけにウイルスの感染から始まり、そこに細菌の感染が加わることで、鼻水が黄色〜緑色に変わり、発熱や頬の痛みを伴うことがあります。一方、慢性副鼻腔炎は急性を繰り返すなどして症状が長引いた状態で、高い熱よりも鼻づまりやにおいの低下などが続くのが特徴です。急性と慢性のどちらにあたるか、治療をどうするかは、急性上気道炎とその病型についての解説もふまえつつ、医師が診察で判断します。
ウイルス性と細菌性のちがい・抗生物質は必要?
副鼻腔炎の多くは、かぜと同じくウイルスがきっかけで起こり、この段階では抗菌薬(抗生物質)は効きません。細菌の感染が加わったと考えられるときに、医師の判断で抗菌薬が使われることがあります。かぜ症候群の原因のおよそ8〜9割はウイルスによるものと報告されており、ウイルスが原因の場合は症状をやわらげる対症療法が中心になります。
細菌の感染が加わったことを疑う目安として、医学的な資料では次のような点が挙げられています。当てはまるときは、抗菌薬が必要かどうかも含めて医師の診察を受けることが勧められます。
- 症状が10日以上たってもよくならない
- 39℃以上の高熱と、膿のような鼻水・顔面痛が3〜4日以上続く
- いったん治りかけてから、再び悪化する(ぶり返す)
抗菌薬を使うかどうか、どの薬をどれくらい使うかは、症状や経過をふまえて医師が判断します。自己判断で薬を選んだり中断したりせず、気になるときは医療機関に相談してください。
熱が出たときの対処法(解熱鎮痛薬・市販薬・漢方)
熱が出たときの基本の対処は、解熱鎮痛薬で熱やつらさをやわらげ、水分と休養をしっかりとることです。急性上気道炎に伴う症状は、安静と水分・栄養の補給などで自然に軽快していくことが多いとされています。つらい症状をやわらげながら、体を休めることが大切です。
解熱鎮痛薬・市販薬の選び方
熱や痛みをやわらげる薬としては、アセトアミノフェンという成分が基本的な選択肢の一つとして挙げられます。胃への負担が比較的少なく、眠気が出にくいとされているためです。妊娠中・授乳中や小児でも選択肢になりやすい成分とされますが、使える量や可否は年齢や体の状態によって異なります。使用の前に医師・薬剤師に相談すると安心です。
注意
総合感冒薬(かぜ薬)には解熱鎮痛の成分が含まれていることが多く、別に解熱鎮痛薬を併用すると同じ成分が重なってしまうことがあります。複数の薬を一緒に使うときは、成分が重複しないよう、薬剤師や医師に確認してください。
漢方の位置づけ(辛夷清肺湯など)
鼻の症状に用いられる漢方薬もあります。たとえば辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)は、体力が中等度以上で、濃い鼻汁が出て、ときに熱感を伴う鼻づまり・慢性鼻炎・蓄膿症(副鼻腔炎)に用いられるとされる漢方製剤です。通常、成人は1日7.5gを2〜3回に分けて、食前または食間(食事と食事の間)に服用します。慢性の鼻症状に用いられる処方で、効果のあらわれ方には個人差があります。
辛夷清肺湯は構成生薬に山梔子(サンシシ)を含み、長期に服用した例で腸間膜静脈硬化症があらわれるおそれが報告されています。また、まれに間質性肺炎や肝機能障害などの重大な副作用があらわれることがあります。漫然と使い続けず、腹痛・下痢・便秘などが繰り返しあらわれたときは医師に相談してください。使う場合は医師の診察・判断を経て行われます。詳しい効能や注意点は辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)の解説ページでご確認ください。
受診の目安・何科を受診する?
副鼻腔炎の熱の多くは数日で落ち着きますが、高熱が続く・長引く・ぶり返す、あるいは強い頭痛や目の周りのはれを伴うときは受診を検討します。まずは次の流れで、様子を見てよいか、受診したほうがよいかを整理してみましょう。
目の周りのはれ・ものが見えにくい・強い頭痛・首のこわばり・意識がもうろうとする、などのサインがある?
合併症のおそれがあり、対面での診察や救急の対象です。早めに医療機関へ相談します。
次の項目を確認します。
39℃以上の高熱が3〜4日以上続く/症状が10日以上よくならない/治りかけて再び悪化した?
細菌感染が加わっている可能性があります。耳鼻咽喉科(または内科)の受診を検討します。
次の項目を確認します。
熱は数日で下がってきており、水分もとれて全身状態は保たれている?
自宅で休養・水分をとりながら経過をみられます。悪化するときは受診を検討します。
オンライン診療などで相談し、対面が必要か判断してもらう方法もあります。
早めの受診・救急を検討するサイン
目の周りのはれ、ものの見えにくさ、まぶたが開けにくい、激しい頭痛、けいれん、意識がもうろうとするなどがあるときは、炎症が目の周りや頭の方へ広がっている可能性があります。これらは対面での診察や救急が必要と考えられます。ためらわずに医療機関へ相談してください。
何科を受診する?(耳鼻咽喉科・内科)
副鼻腔炎が疑われるときに受診を検討する科は、鼻や副鼻腔を専門に診る耳鼻咽喉科が基本です。鼻の中の観察や鼻水の吸引など、副鼻腔炎の診察・治療に対応しています。発熱や全身のだるさが強いとき、かぜの症状が中心のときは、内科やふだんのかかりつけ医に相談する方法もあります。どちらにかかるか迷うときは、まず身近な医師に相談し、必要に応じて紹介してもらうこともできます。
子どもの副鼻腔炎で熱が出たら
子どもも急性の副鼻腔炎で発熱することがあります。子どもは症状をうまく訴えられず、鼻を上手にかむのが苦手なため、鼻の奥に膿がたまりやすいとされています。家庭では、鼻水の吸引などのケアで鼻の通りを助けることが役立つことがあります。次のような様子があるときは、早めに小児科や耳鼻咽喉科に相談してください。
- 高熱が続く、水分がとれない、ぐったりしている
- 目の周りがはれる、繰り返し吐く
- 耳の痛みや聞こえにくさを繰り返す
乳児の受診の目安
生後3か月未満の赤ちゃんで38℃以上の熱があるときは、必ず医療機関を受診することが勧められます。また、呼吸が苦しそう、意識がはっきりしないなどのときは、年齢を問わず救急の対象です。登園・登校の再開は、熱が下がって全身状態が回復してから、園や医師の指示に従って判断してください。
オンライン診療でできること・できないこと(保険の考え方)
比較的軽い発熱と鼻の症状で、以前にも似た症状を経験しているような場合は、オンライン診療で医師に相談し、状況に応じて薬の処方につながることがあります。スマホやパソコンから問診に答え、医師が症状を確認して判断します。一方で、次のような場合は対面での診察が必要です。
- 鼻の中の観察やレントゲン・CT、鼻水の吸引などの処置が必要と考えられるとき
- 初めての症状で程度が強い、全身状態が悪いとき
- 細菌感染が疑われ、抗菌薬が必要かどうかの判断に診察が要るとき
- 目の周りのはれ・強い頭痛・意識障害など、救急が疑われるサインがあるとき
費用については、副鼻腔炎の診療は公的医療保険の対象となるのが一般的です。ただし、症状や診療の内容によっては保険診療であっても対面受診の案内になることがあり、保険が使えるかどうかは状況によって変わります。あらかじめ確認しておくと安心です。受診の流れは次のように整理できます。
-
症状を整理する
いつから、どんな症状(熱・鼻水・顔面痛など)が、どのように続いているかをまとめます。
-
受診先を選ぶ
危険なサインがなければ耳鼻咽喉科などを検討し、当てはまればオンライン診療も選択肢にします。
-
医師の診察を受ける
医師が症状を確認し、必要に応じて対面受診・検査・処置を案内します。
オンラインで相談できる範囲や受診の目安は、背景となる病気の解説とあわせて急性上気道炎のオンライン診療と受診の目安でもご確認いただけます。
まとめ
副鼻腔炎では、とくに急性で細菌の感染が加わったときに熱が出ることがあり、慢性の副鼻腔炎では基本的に発熱はみられないとされています。熱の高さは微熱から39℃以上まで幅があり、多くは数日〜1週間ほどで下がっていきます。熱が上がったり下がったりするのは炎症の持続や安静不足、ぶり返しが背景にあります。39℃以上の高熱が3〜4日続く、症状が10日以上長引く、治りかけて再び悪化する、目の周りのはれや強い頭痛を伴うときは、受診・救急を検討する目安です。熱への対処は解熱鎮痛薬・水分・休養が基本で、抗菌薬を使うかどうかは医師が判断します。長引くとき・繰り返すとき・迷うときは、自己判断で様子を見続けず、耳鼻咽喉科などにご相談ください。
副鼻腔炎の熱に関するよくある質問
参考文献
- MSDマニュアル プロフェッショナル版「副鼻腔炎」(msdmanuals.com、2026年8月16日参照)
- 急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン|日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会(jibika.or.jp、2026年8月16日参照)
- 辛夷清肺湯 添付文書情報|医薬品医療機器総合機構(PMDA)(pmda.go.jp、2026年8月16日参照)
石川雅俊(いしかわ まさとし) 医師/博士(医療福祉経営学)/公衆衛生学修士(MPH) 2005年筑波大学医学専門学群卒業。臨床研修を経て内科を中心に診療に従事したのち、2008年…
最終更新日:2026年8月 / 本ページの情報は一般的な医学的知見に基づくものであり、個別の診断・治療を保証するものではありません。症状が続く場合は医療機関にご相談ください。
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