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COLUMN

桔梗湯の効果|のどのはれ・扁桃炎への飲み方と副作用の注意

監修医師
石川 雅俊 医師 / 医師/博士(医療福祉経営学)/MPH

桔梗湯の効果を公的情報をもとに解説します。のどがはれて痛む扁桃炎・扁桃周囲炎に用いる漢方で、桔梗と甘草の2生薬からなります。うがい飲みと用法用量、甘草の副作用・飲み合わせ、効かないときの受診の目安、市販と処方の違いまで整理します。

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「桔梗湯(ききょうとう)はのどの痛みに効くの?」「うがい飲みって何?」と気になる方に向けて、のどのはれ・痛みに用いられる漢方「桔梗湯」の効果・効能や飲み方(うがい飲み・用法用量)、甘草(カンゾウ)による副作用や飲み合わせの注意、ほかの漢方との使い分け、入手の流れまでを、公的な情報をもとに整理します。医療用の桔梗湯は、医師の診察・判断にもとづいて処方される医療用医薬品で、保険が使えるかどうかは診察の内容によって異なります。結論として、桔梗湯の効能・効果は「咽喉(のど)がはれて痛む扁桃炎・扁桃周囲炎など」で、桔梗(キキョウ)と甘草(カンゾウ)の2つの生薬からできています。桔梗湯の解説ページもあわせてご覧ください。

まず知りたい要点(結論)

この記事のポイント

  • 桔梗湯は、のどが赤くはれて痛む扁桃炎・扁桃周囲炎などの「のどのはれ・痛み」に用いられる漢方です。
  • 桔梗(キキョウ)と甘草(カンゾウ)の2つの生薬からなる、生薬数の少ない漢方エキス製剤です。
  • 飲み方は通常、成人が1日7.5gを2〜3回に分け、食前または食間(空腹時)に飲みます。
  • 湯に溶かして口に含み、ゆっくり飲む「うがい飲み」という工夫が紹介されることがあります。
  • 甘草を多く含むため、偽アルドステロン症などの副作用に注意が必要です。効き方には個人差があり、改善しないときは受診が目安です。

桔梗湯とは|桔梗と甘草の2つの生薬からなる漢方

桔梗湯は、キキョウ(桔梗)とカンゾウ(甘草)という2種類の生薬からなる漢方製剤(医療用エキス製剤)です。医療用のツムラ桔梗湯エキス顆粒は、処方番号138にあたります。漢方薬の中でも生薬数が少ないのが特徴で、本品7.5g中に、日局カンゾウ3.0g・日局キキョウ2.0gから得た乾燥エキス1.25gを含みます。のど(咽喉)がはれて痛む扁桃炎・扁桃周囲炎などに用いられるとされ、用いるかどうかや処方の可否は医師の診察・判断によります。2つの生薬の分量と、それぞれの働きとされるものを整理すると次のとおりです。

生薬 分量(7.5g中) 働きとされるもの
カンゾウ(甘草) 3.0g 緩和的に働き、抗炎症・鎮痛にかかわるとされる
キキョウ(桔梗) 2.0g 排膿(膿を出す)や去痰(痰を切る)にかかわるとされる

これら2種類の生薬から得た乾燥エキス1.25gが、桔梗湯7.5g中に含まれています。桔梗湯には一般用(市販)の製剤もありますが、この記事では主に医療用について説明します。

桔梗湯の効果・効能|のどのはれ・痛みに使う

桔梗湯の効能・効果は、添付文書では「咽喉(のど)がはれて痛む次の諸症:扁桃炎、扁桃周囲炎」とされています。つまり、のどが赤くはれて痛むタイプの症状に用いられる漢方です。一般用の製剤では「体力に関わらず使用でき、のどがはれて痛み、ときにせきがでるもの」という証(体質・症状)の目安が示される場合もあります。効能・効果や証は添付文書の記載にもとづくもので、西洋医学的な病気を断定することを目的とするものではありません。効果の現れ方や実感には個人差があるとされています。

2つの生薬の働き

桔梗湯は、構成生薬であるキキョウとカンゾウが総合的に作用すると考えられています。キキョウは排膿や去痰に、カンゾウは緩和的に働き抗炎症・鎮痛にかかわる生薬とされますが、桔梗湯の働きは一つの分子のしくみだけで説明されるものではありません。のどのはれや痛みをやわらげる目的で用いられる、と理解しておくとよいでしょう。「必ず効く」「これだけで治る」といったものではなく、症状が続く場合や悪化する場合は医師にご相談ください。

効かない・効きにくいのはどんなとき

桔梗湯は、のどの痛みをやわらげる目的で用いられる、いわば対症的な漢方です。そのため、原因によっては桔梗湯だけでは十分でなく、検査や別の治療、受診が必要になることがあります。とくに、細菌が原因の扁桃炎(溶連菌など)や、扁桃のまわりに膿がたまる扁桃周囲膿瘍などが疑われる場合です。添付文書でも、のどのはれや痛みなどの症状・所見の改善が認められない場合には、継続して服用せず投与を避けることとされています。次の流れで、受診を検討する目安を確認しましょう。

水も飲み込めないほど強く痛む、息苦しい、口が開けにくい、などのつらさがある?

あてはまる

扁桃周囲膿瘍など、対面での診察や処置が必要な状態のことがあります。早めに医療機関へ相談します。

あてはまらない

次の項目を確認します。

高い熱が続く、のどに白い膿が見える、首のリンパが腫れて痛む?

あてはまる

溶連菌など細菌が原因の可能性があり、検査や別の治療が必要なことがあります。受診を検討します。

あてはまらない

次の項目を確認します。

数日たっても改善しない、または悪化している?

あてはまる

桔梗湯を続けず、医師にご相談ください。ほかの原因や治療が検討されることがあります。

あてはまらない

経過をみながら、医師の指示に従って服用します。

受診の目安

水分がとれないほど強く痛む、息苦しい、口が開けにくい、高い熱が続く、のどの片側だけが強くはれる、といった場合は、早めに医療機関へ相談することが勧められます。のどの痛みは、かぜ(急性上気道炎)のように自然に軽くなるものばかりではなく、別の病気が隠れていることもあります。かぜと桔梗湯の関係については急性上気道炎(かぜ症候群)の解説もあわせてご確認ください。

桔梗湯の飲み方|うがい飲みと用法用量

桔梗湯の飲み方は、通常、成人が1日7.5gを2〜3回に分け、食前または食間(空腹時)に、水または白湯で飲みます。年齢・体重・症状によって適宜増減されるため、量やタイミングは医師の指示に従ってください。基本の飲み方を整理すると次のとおりです。

項目 目安
1日の量(成人) 7.5g
飲む回数 2〜3回に分ける
飲むタイミング 食前または食間(空腹時)
飲むもの 水または白湯
量の調整 年齢・体重・症状により医師が増減

「食間」とは食事と食事のあいだ(前の食事から2時間ほどたった空腹の時間)のことで、食事中という意味ではありません。

「うがい飲み」とは?正しい飲み方との関係

添付文書上の正しい飲み方は、口から飲む「経口投与」です。そのうえで、桔梗湯を湯に溶かし、口の中に少しずつ含みながらゆっくり飲む「うがい飲み」という飲み方が紹介される場合があります。これは、のどに行き渡らせるための慣用的な工夫であり、必ずこの方法でなければならない、というものではありません。手順の一例は次のとおりです。

  1. 顆粒を少量の湯に溶かす

    桔梗湯の顆粒を、少量の湯(ぬるめ〜温かい程度)に溶かします。熱すぎない温度にします。

  2. 口に含み、のどに行き渡らせてから飲む

    口の中に含み、のど全体に行き渡らせるようにしながら、ゆっくり飲み込みます。

  3. 決められた回数・タイミングを守る

    1日7.5gを2〜3回に分け、食前または食間に飲みます。量やタイミングは医師の指示に従います。

ポイント:うがいだけで終わらせない

「うがい飲み」は、うがいをして吐き出す方法ではなく、最終的に飲み込む「経口」が基本です。この飲み方が即効性や治療効果を約束するものではありません。飲み方に迷うときは、自己判断せず医師・薬剤師に確認してください。

効果が出るまで・いつまで飲むか

桔梗湯の効果の現れ方や実感には個人差があるとされています。どのくらいで効くか、はっきりした時間が公的な情報に示されているわけではないため、この記事では具体的な「効くまでの時間」は断定しません。使用期間についても明確な定めはありませんが、のどのはれや痛みなどの症状・所見の改善が認められない場合には、継続して服用せず投与を避けることとされています。また、甘草(カンゾウ)を含むため、服用中は血清カリウム値や血圧値に留意が必要で、長期にわたって服用する場合は偽アルドステロン症や低カリウム血症などに注意が必要とされています。続ける期間や中止の判断は、自己判断せず医師にご相談ください。

桔梗湯の副作用・注意・禁忌

桔梗湯にも副作用や、使用にあたって注意が必要な人があります。検索で目立たない項目でも、添付文書などにもとづいて省略せず整理します。

主な副作用・重大な副作用

報告されている主な副作用として、消化器の症状(食欲不振、胃部不快感など)が現れる場合があるとされています。また、桔梗湯はカンゾウを含むため、次の重大な副作用が報告されています。

  • 偽アルドステロン症:低カリウム血症、血圧の上昇、ナトリウムや体液の貯留、むくみ(浮腫)、体重増加などがあらわれる場合があります。
  • ミオパチー:低カリウム血症にともなう脱力感、手足のけいれん・麻痺などがあらわれる場合があります。

こんなサインに気づいたら服用を中止し、医師へ相談

手足のだるさ・しびれ・こわばりや脱力感が徐々に強くなる、むくみや急な体重増加、血圧の上昇などがみられた場合は、服用を中止して医師にご相談ください。気になる症状があらわれたときも、医師・薬剤師に相談します。

飲めない人(禁忌)・注意が必要な人(慎重投与)

次の方は、桔梗湯を使用することができません(禁忌)。

  • アルドステロン症の方
  • ミオパチーのある方
  • 低カリウム血症のある方

また、次の方は注意して使用するとされています(慎重投与)。あてはまる場合は、服用前に医師・薬剤師にお伝えください。

  • 妊娠中または妊娠している可能性のある方
  • 胃腸の弱い方
  • 高齢の方
  • むくみのある方
  • 高血圧・心臓病・腎臓病の診断を受けた方

妊娠中・授乳中・高齢の方

  • 妊娠中:妊婦または妊娠している可能性のある方には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与するとされています。服用の可否は医師にご相談ください。
  • 授乳中:有益性を勘案して、授乳を続けるか中止するかが検討されます。医師にご相談ください。
  • 高齢の方:一般に生理機能が低下していることがあり、カンゾウによる偽アルドステロン症などにも注意が必要とされています。用量や経過観察は医師の判断に従ってください。

桔梗湯の飲み合わせ・併用の注意|甘草の重複

桔梗湯はカンゾウ(甘草)を含むため、甘草を含むほかの薬と重なると、偽アルドステロン症などの副作用が起こりやすくなることがあります。見落とされやすいので、服用中の薬・市販薬・サプリメントは、市販のかぜ薬なども含めて医師・薬剤師にお伝えください。重なりに注意したい主なものは次のとおりです。

重なりに注意するもの 注意される内容
ほかの甘草含有漢方(葛根湯・芍薬甘草湯・補中益気湯など) 甘草が重複し、偽アルドステロン症のリスクが高まることがあるとされています。
グリチルリチン製剤、甘草・グリチルリチン入りの市販かぜ薬・のど薬 成分が重なることがあり、成分表示の確認が勧められます。
利尿剤(ループ系・チアジド系など) 低カリウム血症が起こりやすくなることがあるとされています。

痛み止めやかぜ薬と一緒に飲みたいとき

解熱鎮痛薬(アセトアミノフェンなど)との併用の可否は、体調や飲んでいるほかの薬によって異なります。自己判断せず、医師・薬剤師に確認してください。とくに、甘草やグリチルリチンを含む市販薬との重複には注意します。

ほかののどの漢方・のど飴との違いと使い分け

桔梗湯は、のどのはれ・痛みに用いられる漢方の一つです。どの漢方を用いるか、また用いるかどうかは、症状や体質(証)をふまえた医師の判断によります。のどの症状に使われる代表的な漢方を、使われる場面の目安で整理すると次のとおりです(どれが優れているという意味ではありません)。

漢方(読み) 主に使われる場面の目安
桔梗湯(ききょうとう) のどが赤くはれて痛む扁桃炎・扁桃周囲炎など
甘草湯(かんぞうとう) のどの痛みなどに用いられる、甘草を主とした処方
麦門冬湯(ばくもんどうとう) のどの乾燥感やからせきが気になるとき
葛根湯(かっこんとう) かぜのひき始め、寒け・肩こりをともなうとき
小柴胡湯加桔梗石膏(しょうさいことうかききょうせっこう) こじれたのどの炎症などに用いられることがある

これらはあくまで一般的な目安で、実際にどれを用いるかは医師が判断します。なお、のど飴(あめ)は食品や医薬部外品などとして一時的にのどをうるおすものが多く、漢方の医薬品である桔梗湯とは位置づけが異なります。市販のど薬との違いが気になる場合も、成分や使い方を医師・薬剤師に確認するとよいでしょう。

市販と医療用の違い・入手と処方の流れ・保険

桔梗湯には一般用(市販)の製剤もあり、医療用は医師の診察・処方のもとで用いられます。医療用と一般用では、剤形・分量・用法が異なる場合があります。市販薬で対応するか、医療用を希望するかは、症状や状態によって医師に相談するとよいでしょう。医療用の桔梗湯を希望する場合の、受診・オンライン診療のおおまかな流れは次のとおりです。

  1. 症状を整理して予約・問診する

    いつから、どんなのどの症状があるか(はれ・痛み・熱など)を整理し、予約して問診に回答します。

  2. 医師の診察・判断を受ける

    医師が症状や体質、これまでの経過を確認し、桔梗湯が適しているかを判断します。

  3. 処方、または対面受診の案内を受ける

    処方が適切と判断されれば処方されます。対面での診察や検査が必要と判断された場合は、対面受診が案内されます。

費用については、要件を満たせば保険診療となる一方、対面での診察が必要と判断された場合には対面受診が案内されます。実際のご負担は、保険適用の有無や自己負担割合によって変わります。桔梗湯の処方やオンライン診療については、桔梗湯の解説ページもあわせてご確認ください。

まとめ

桔梗湯は、のどが赤くはれて痛む扁桃炎・扁桃周囲炎などの「のどのはれ・痛み」に用いられる、桔梗と甘草の2つの生薬からなる漢方です。飲み方は通常、成人が1日7.5gを2〜3回に分け、食前または食間に飲み、湯に溶かして口に含む「うがい飲み」という工夫が紹介されることもあります。ただし効き方には個人差があり、細菌性ののどの炎症や扁桃周囲膿瘍など、検査や別の治療が必要な場合もあります。甘草を含むため偽アルドステロン症などの副作用や、ほかの甘草含有薬との重複にも注意が必要です。数日たっても改善しない・悪化する、強い痛みや息苦しさがあるといった場合は、自己判断で続けず医師にご相談ください。桔梗湯の適応や処方については桔梗湯の解説ページを、のどの痛みをともなうかぜについては急性上気道炎の解説もあわせてご覧ください。

桔梗湯の効果に関するよくある質問

参考文献

  • ツムラ桔梗湯エキス顆粒(医療用)|日経メディカル処方薬事典(medical.nikkeibp.co.jp、2026年8月16日参照)
監修者プロフィール
石川 雅俊 医師
医師/博士(医療福祉経営学)/MPH

石川雅俊(いしかわ まさとし) 医師/博士(医療福祉経営学)/公衆衛生学修士(MPH) 2005年筑波大学医学専門学群卒業。臨床研修を経て内科を中心に診療に従事したのち、2008年…

最終更新日:2026年8月 / 本ページの情報は一般的な医学的知見に基づくものであり、個別の診断・治療を保証するものではありません。症状が続く場合は医療機関にご相談ください。

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