高血圧の症状は?無症状の理由と危険なサイン・受診の目安
高血圧は自覚症状がほとんどないまま進むことが多く、症状の有無だけでは判断できません。頭痛やめまいなど出ることのある症状、すぐ受診すべき危険なサイン、血圧の基準値と受診の目安、生活改善から薬までをわかりやすく整理します。
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健康診断で「血圧が高い」と言われたけれど自覚症状は何もない、あるいは最近の頭痛やめまいが高血圧のせいか気になる――そんな不安から検索される方が多いテーマです。この記事では、高血圧でどんな症状が出るのか、その症状は本当に高血圧が原因なのか、すぐに受診すべきサインは何かを整理します。結論から言うと、高血圧は自覚症状がほとんどないまま進むことが多く、症状の有無ではなく血圧の数値で確認することが大切です。
この記事のポイント
- 高血圧は自覚症状がほとんどないまま進むことが多く、「症状がない=軽い」ではありません。
- 頭痛・めまい・肩こり・動悸などが出ることもありますが、これらだけで高血圧かどうかは判断できません。
- 突然の激しい頭痛・手足のしびれや麻痺・ろれつが回らない・強い胸の痛みなどは、ためらわず救急要請や受診を検討するサインです。
- 大切なのは家庭で血圧を測って数値を確認することです。診察室で140/90mmHg以上、家庭で135/85mmHg以上が高血圧の目安とされています。
高血圧の症状は? ほとんど自覚症状がないのが特徴
高血圧は、はっきりとした症状が出ないまま進むことが多い病気です。血圧が高い状態が続いても体が痛くなったり熱が出たりするわけではないため、自分では気づきにくく、「サイレントキラー(静かな殺し屋)」と呼ばれることもあります。
血圧は、心臓から送り出される血液の量と血管の広がりやすさなどで調節されています。この調節に関わるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系というしくみでは、体内で作られるアンジオテンシンⅡという物質が細い動脈を収縮させて血圧を上げます。こうした調節のバランスが崩れて血圧が高い状態が続いても、初期には前兆となる症状がほとんど現れません。そのため「症状がないから大丈夫」とは言えず、放置すると気づかないうちに血管に負担がかかっていくことがあります。血圧が非常に高くなった場合には頭痛やめまい、動悸を感じることもありますが、症状の有無だけで判断することは難しいとされています。
高血圧で出ることのある症状
高血圧で出ることがあるとされる症状には、次のようなものがあります。ただし、いずれも高血圧の人すべてに出るわけではなく、多くの場合は無症状です。
- 頭痛・頭が重い感じ
- めまい・ふらつき
- 肩こり
- 動悸(心臓がドキドキする感じ)
- 耳鳴り
- 目の症状(進行した高血圧性網膜症では視力の低下が起こることがありますが、初期は自覚症状がほとんどありません)
これらは日常的によくある症状でもあるため、症状だけを見て「高血圧かどうか」を見分けることはできません。気になる症状があるときは、まず家庭で血圧を測って数値を確認することが手がかりになります。
その症状は本当に高血圧のせい?
頭痛やめまいがあると高血圧のせいだと考えがちですが、必ずしも高血圧が直接の原因とは限りません。切り分けの考え方を整理します。
頭痛:軽度から中等度の高血圧と頭痛のはっきりした関連は乏しいとされ、頭痛が高血圧のサインとして出るのは、血圧が非常に高くなったとき(目安としておおむね180/120mmHg以上)や急激に上昇したときなど、限られた場面です。
めまい・ふらつき:立ち上がったときにふらつく場合は、血圧が下がりすぎる起立性低血圧が関係していることがあります。また、降圧薬を使っている場合は、薬の効きすぎでめまいやふらつきが出ることもあります。カルシウム拮抗薬のアムロジピンでも、めまい・ふらつき、ほてり、動悸、頭痛などが副作用として知られています。つまりめまいは、高血圧そのものよりも血圧が下がる側の要因で起こることもあるということです。
耳鳴り・動悸:これらも高血圧以外の原因で起こることが多い症状です。高血圧のせいと決めつけず、続くようなら医師に相談し、血圧の数値もあわせて確認します。
すぐ受診・救急を検討する危険なサイン
次のようなサインを伴うときは、脳や心臓などの緊急事態(高血圧緊急症)の可能性があり、ためらわず救急要請やすぐの受診を検討します。
- 突然の激しい頭痛、これまでに経験したことのない強い頭痛
- 手足のしびれや麻痺、片側の力が入らない
- ろれつが回らない、言葉が出にくい
- 意識がぼんやりする、けいれん
- 強い胸の痛みや締めつけ、息苦しさ
- 激しい嘔吐、ものが二重に見える
受診の目安
高血圧緊急症は、血圧が急に高度に上がり(多くは180/120mmHg以上)、脳・心臓・腎臓などの臓器に急な障害が起こる状態とされています。上のようなサインを伴うときは、様子を見ずに救急要請や医療機関への連絡を検討します。血圧が高くても、これらの症状がなければ後日の受診で対応できることが多いですが、判断に迷うときは医療機関に相談します。
症状ではなく数値で確認を(基準値と判断の流れ)
症状の有無だけで自己判断せず、血圧の数値で確認することが大切です。まず家庭で血圧を測り、下の基準と照らし合わせます。家庭血圧は、朝と夜など決まったタイミングで、座って少し安静にしてから測るのが目安です。
| 分類 | 診察室で測る血圧 | 家庭で測る血圧 |
|---|---|---|
| 高値血圧 | 130〜139 かつ/または 80〜89mmHg | 125〜134 かつ/または 75〜84mmHg |
| 高血圧 | 140/90mmHg 以上 | 135/85mmHg 以上 |
高値血圧は、高血圧そのものではないものの、生活習慣の見直しと血圧の記録が勧められる段階です。診察室で140/90mmHg以上、または家庭で135/85mmHg以上が続く場合は高血圧の目安となります。ただし、診断や治療の要否は医師の診察・判断によります。次の流れで、まず何をすればよいかを確認してください。
突然の激しい頭痛・手足の麻痺やしびれ・ろれつが回らない・強い胸の痛みなどの危険なサインがある?
高血圧緊急症などの可能性があります。様子を見ず、救急要請や医療機関への連絡を検討します。
まず家庭で血圧を測り、数値を確認します。
家庭血圧が135/85mmHg以上の状態が続いている、または健診で血圧を指摘された?
内科・循環器内科の受診を検討します。オンライン診療で相談し、対面が必要か判断してもらう方法もあります。
生活習慣に気をつけながら、定期的に血圧を測って記録を続けます。
血圧が高い状態が続くとどうなる(合併症)
症状がなくても、血圧が高い状態が続くと血管に負担がかかり、脳や心臓、腎臓などの血管が傷んでいくことがあります。放置した場合につながるおそれがあるものとして、次のような病気が知られています。
- 脳卒中(脳梗塞・脳出血)
- 心臓病(心筋梗塞・心不全)
- 腎臓の機能の低下(腎臓病)
- 目の血管の障害(高血圧性網膜症)
- 動脈硬化による全身の血管の負担
高血圧は身近な病気でもあります。厚生労働省の情報では、20歳以上のおよそ2人に1人が高血圧とされ、高血圧への対策によって年間10万人以上の死亡を防止できる可能性があると示されています。自覚症状がなくても数値で早めに気づき、管理していくことが大切です。
高血圧の原因・なりやすい人
高血圧は原因によって大きく2つに分けられます。
本態性高血圧:原因を一つに特定できない高血圧で、日本人の高血圧の大部分を占めます。遺伝的な体質に、食塩のとりすぎ・肥満・飲酒・運動不足・ストレスなどの生活習慣が関わると考えられています。
二次性高血圧:腎臓の病気やホルモンの異常(原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫など)、一部の薬剤などが原因で起こる高血圧です。原因となる病気の治療によって血圧が改善する場合があり、医師の診察で見分けます。
次のような方は高血圧になりやすいとされています。これらの要因は重なり合うことも多く、生活習慣の見直しが予防・改善につながります。
- 食塩を多くとる食生活の方
- 肥満のある方
- お酒を多く飲む方
- 運動不足の方
- ストレスの多い方
- 喫煙習慣のある方
- 睡眠時無呼吸のある方
受診の目安・何科・オンライン診療でできること
危険なサインがなく、家庭血圧が135/85mmHg以上の状態が続く場合や、健診で血圧を指摘された場合は、内科・循環器内科の受診を検討します。健診では、収縮期160mmHg以上または拡張期100mmHg以上が受診勧奨の判定値の目安とされています。
安定した高血圧の継続的な管理や生活習慣の相談、処方の継続については、オンライン診療を利用できる場合があります。一方で、上で挙げたような突然の激しい症状があるときは、オンラインではなく対面の受診や救急要請が必要です。オンラインでできること・できないことを整理すると、次のようになります。
-
できること:安定している高血圧の継続管理
血圧が落ち着いている場合の経過確認、生活習慣の相談、医師の判断による処方の継続などに向いています。
-
できること:受診が必要かの相談
症状や数値をもとに、対面の受診や検査が必要かを医師に相談できます。
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できないこと:緊急の対応
突然の激しい頭痛・麻痺・強い胸の痛みなどの緊急のサインがあるときは、対面の受診や救急要請が必要です。
受診先の選び方や継続的な管理の進め方については、高血圧という病気の全体像とオンライン診療での管理についての解説もあわせてご覧ください。
対処・治療の考え方(生活改善から、必要に応じて薬へ)
高血圧の管理は、まず生活習慣の見直しが基本となり、それでも血圧が下がらない場合に、医師の判断で薬物療法を組み合わせていきます。生活習慣の見直しには次のようなものがあります。
- 減塩(高血圧の方では1日6g未満が目標とされています)
- 適度な運動
- 肥満のある方の減量
- 飲酒を控えめにする(節酒)
- 禁煙
生活習慣の見直しで血圧が十分に下がらない場合には、医師の判断で降圧薬が検討されます。降圧薬にはカルシウム拮抗薬、ARB(アンジオテンシン受容体拮抗薬)、ACE阻害薬、利尿薬などの種類があり、血圧や合併症などをふまえて医師がどの薬を使うかを判断します。どの薬が適するか、そもそも薬が必要かどうかは、自己判断ではなく医師の診察・判断によります。
代表的な降圧薬の一つに、持続性カルシウム拮抗薬のアムロジピンがあります。血管を広げて血圧を下げる薬で、1日1回の服用で作用が続くとされ、高血圧症では通常成人で1日2.5〜5mgから始め、効果が不十分な場合は1日10mgまで増量することがあります。市販薬(OTC)はなく、医師の診察・処方のもとで保険適用のもと使用します。また、効果を保つために続けて飲む薬であり、自己判断で中止しないことが大切です。用法・用量の詳細や副作用、注意点についてはアムロジピンの効果・用法・副作用など詳しい情報をご確認ください。
なお、受診・診断は保険診療で行われ、生活改善で血圧が下がらない場合に、医師の判断で薬物療法が検討されます。保険適用の条件を満たさない場合や、対面での診察が必要な場合には、その旨が案内されます。
まとめ
高血圧は自覚症状がほとんどないまま進むことが多く、症状の有無だけで判断することはできません。頭痛・めまい・肩こり・動悸などが出ることもありますが、これらは高血圧以外の原因でも起こります。大切なのは家庭で血圧を測って数値を確認することです。突然の激しい頭痛・手足の麻痺・ろれつが回らない・強い胸の痛みなどのサインを伴うときは、ためらわず救急要請やすぐの受診を検討します。危険なサインがなく、家庭血圧が135/85mmHg以上の状態が続く、または健診で指摘された場合は、内科・循環器内科の受診を検討し、生活習慣の見直しから、必要に応じて医師の判断で薬物療法を進めていきます。
高血圧の症状に関するよくある質問
石川雅俊(いしかわ まさとし) 医師/博士(医療福祉経営学)/公衆衛生学修士(MPH) 2005年筑波大学医学専門学群卒業。臨床研修を経て内科を中心に診療に従事したのち、2008年…
最終更新日:2026年8月 / 本ページの情報は一般的な医学的知見に基づくものであり、個別の診断・治療を保証するものではありません。症状が続く場合は医療機関にご相談ください。
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