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※2023年1月〜2026年5月末までのグループ全体累計受診数。
皮膚炎について
皮膚炎(ひふえん)は、皮膚の上層に炎症が起こり、かゆみ・赤み・腫れ・水疱・じくじく・かさぶたなどを生じる状態の総称で、「湿疹」とほぼ同じ意味で用いられます。原因やできる部位、経過によっていくつかの種類に分けられ、身の回りの物質やアレルゲンなどの外的要因と、皮膚の乾燥やアレルギー素因などの内的要因が関わって起こると考えられています。かゆみから皮膚をかくことで炎症がさらに広がる悪循環(炎症の悪化サイクル)に陥りやすいのが特徴で、早めに炎症を抑えることが改善の近道とされています。ありふれた皮膚の病気ですが、種類の見極めや治療の可否・方法は医師の診察・判断によります。
- 皮膚の上層に炎症が起こる状態の総称で、「湿疹」とほぼ同じ意味で使われます
- かゆみ・赤み・腫れ・水疱・じくじく・かさぶたなどがみられます
- 接触皮膚炎(かぶれ)・アトピー性皮膚炎・脂漏性皮膚炎など複数の種類があります
- かくことで悪化する「炎症の悪化サイクル」に陥りやすく、早めに炎症を抑えることが大切です
- 治療はステロイド外用薬などの薬物療法と、保湿を含むスキンケアが中心です
皮膚炎の症状
主な症状は、かゆみを伴う赤い発疹です。皮膚の炎症の程度や経過によって、次のようなさまざまな症状がみられます。
- 赤み(発赤)・小さな盛り上がり(丘疹)・かゆみが、急性期にみられやすい症状です。
- 水疱(水ぶくれ)ができたり、それが破れてじくじくと湿った状態(びらん・浸出)になることがあります。
- 乾いてかさぶたや鱗屑(皮のむけ)が生じることがあります。
- 慢性化すると、皮膚が厚く硬くなる(肥厚・苔癬化)、ひび割れ、色素沈着などがみられやすくなります。
接触皮膚炎(かぶれ)では、刺激性の場合はかゆみより痛みが、アレルギー性の場合は痛みよりかゆみが強くみられる傾向があるとされています。
病型・タイプ
皮膚炎(湿疹)は、原因や生じる部位、経過によっていくつかの種類に分けられます。代表的なものに次のような種類があります。
- 接触皮膚炎(かぶれ):刺激物やアレルゲンとなる物質に触れて生じます。刺激性接触皮膚炎とアレルギー性接触皮膚炎に大きく分けられます。
- アトピー性皮膚炎:かゆみのある湿疹が慢性的によくなったり悪くなったりを繰り返す病気です。
- 脂漏性皮膚炎:皮脂の多い頭皮・顔などに生じやすい皮膚炎です。
- 貨幣状湿疹・うっ滞性皮膚炎・慢性単純性苔癬・手足の皮膚炎など、部位や見た目により分類されるものがあります。
種類の見極めや治療方針は、症状や経過をふまえた医師の診察・判断によります。
初期症状・前兆
初期には、皮膚の一部に赤みやかゆみ、小さな盛り上がり(丘疹)として現れることが多いとされています。接触皮膚炎(かぶれ)では、刺激性の場合は触れた直後から、アレルギー性の場合は接触から1日以上たってから症状が出て、その後強くなることがあります。かゆみに気づいた早い段階でケアや治療を行うことが、悪化サイクルを断ち切るうえで大切とされています。
かゆみからくり返し皮膚をかくと、炎症が広がり、じくじくした状態や、皮膚が厚く硬くなる状態(苔癬化)へと進むことがあります。これを「炎症の悪化サイクル」と呼び、症状が長引く一因になります。また、かき壊した部位から細菌などの感染が合併することもあります。どの種類の皮膚炎も感染症を合併しうるとされており、放置による悪化を避けるためにも、自己判断で様子を見続けず、改善しない場合は受診がすすめられます。経過や見通しは医師の診察・判断によります。
皮膚炎の原因
皮膚炎(湿疹)が起こる原因は、刺激物質やアレルゲンなどの外的要因と、皮膚の乾燥やアレルギー素因などの内的要因に分けられます。原因が判明している場合と、はっきりしない場合があります。原因として知られているものには、皮膚の乾燥、特定の物質への接触、特定の薬、静脈瘤(下肢の血流のうっ滞)などがあります。接触皮膚炎では、酸・アルカリ・溶剤・強い石けん・特定の植物などの刺激物や、ニッケルなどの金属・保存剤・ゴム(ラテックス)・香料などのアレルゲンが原因になりえます。
病態メカニズム
皮膚のもっとも外側にある表皮のバリア機能が低下したり、刺激物やアレルゲンが加わったりすると、皮膚の上層に炎症が起こり、赤み・かゆみ・腫れなどが生じます。かゆみによって皮膚をかくと、バリアがさらに傷つき、炎症が広がって新たなかゆみを生む「炎症の悪化サイクル」に陥りやすくなります。アレルギー性接触皮膚炎では、原因物質に対する免疫の反応(遅延型のアレルギー反応)が関わるとされています。
なりやすい人・リスク要因
皮膚が乾燥しやすい方、アレルギー素因のある方、刺激物やアレルゲンに触れる機会が多い方などで起こりやすいと考えられています。水仕事や手指の消毒・洗浄をくり返す環境、金属アクセサリーや化粧品・洗剤・植物などに触れる状況が、接触皮膚炎の誘因になることがあります。下肢の静脈のうっ滞は、うっ滞性皮膚炎の背景になることがあります。
皮膚炎の診断・検査
多くは、医師による皮膚の診察(視診)と、症状の経過や生活状況などの問診をもとに診断されます。アレルギー性接触皮膚炎が疑われ原因物質がはっきりしない場合には、背中などに検査用の物質を貼って反応をみるパッチテストが役立つことがあります。必要に応じて血液検査や皮膚生検が行われることもあります。どの検査を行うかは医師が判断します。
似た疾患・鑑別
皮膚炎(湿疹)と似た症状を示す病気に、白癬(みずむし・たむしなどの真菌感染症)、乾癬、じんましんなどがあり、鑑別が必要になることがあります。かゆみのある赤い発疹という点は共通していても、原因や治療が異なるため、見た目が似ていても自己判断で対処せず、鑑別・診断は医師が行います。
皮膚炎の治療・治し方
治療は、炎症を抑える薬物療法と、皮膚を保護・保湿するスキンケアが中心になります。炎症性の皮膚疾患ではステロイド外用薬が基本とされ、赤みやかゆみのもととなる炎症を抑えます。かゆみが強い場合には、必要に応じて抗ヒスタミン薬の内服が用いられることがあります。かき壊して化膿している場合には、抗菌薬を含む外用薬が使われることもあります。接触皮膚炎では、原因となる物質を避けることが治療の基本です。使用する薬の種類や強さ(ランク)、期間は、症状の程度・部位・年齢・体質をふまえて医師が判断します。
急性期・発作時の治療
炎症が強い急性期には、炎症をしっかり抑えることが重視され、ステロイド外用薬による治療が行われます。接触皮膚炎(かぶれ)では、冷湿布などで冷やしつつ、原因物質との接触を避け、ステロイド外用薬を用いるのが一般的で、重症の場合にはステロイドの内服が必要になることもあります。強いかゆみに対しては抗ヒスタミン薬の内服が併用されることがあります。急性期の治療内容は医師が判断します。
予防・慢性期の治療
症状が落ち着いてきたら、より弱い薬へ段階的に切り替える方法(ステップダウン)がとられることがあります。慢性の経過をたどる皮膚炎では、保湿を続けて皮膚のバリアを保つスキンケアが再発予防の面で大切とされています。原因や誘因が分かっている場合は、それを避ける工夫を続けます。継続治療の要否や方法は、経過をみながら医師が判断します。
原因が明確な軽い症状では、皮膚を清潔に保ち、保湿を行い、原因となる刺激物やアレルゲンを避けるといったセルフケアが基本になります。かゆくても強くかかないようにし、冷やすとかゆみがやわらぐことがあります。市販のステロイド外用薬などを使う場合は、年齢や部位に応じた使い方に注意します。ただし、手のひら2〜3枚を超えるような広範囲に及ぶ場合、急速に腫れやかゆみが広がる場合、化膿している場合、市販薬を1週間ほど使っても改善しない場合、体調不良を伴う場合、良くなったり悪くなったりをくり返す場合は、自己判断で続けず医療機関(皮膚科)を受診してください。
予防・生活習慣
皮膚の乾燥を防ぐために日ごろから保湿を行い、バリア機能を保つことがすすめられています。原因やアレルゲンが分かっている場合は、それらに触れないよう避けることが予防につながります。水仕事や洗浄・消毒をくり返す際は手袋を使う、刺激の強い石けんや洗剤を避ける、合わない化粧品や金属を避けるといった工夫も有用とされています。かゆくてもかき壊さないようにすることが、悪化サイクルを防ぐうえで大切です。
治療期間・見通し
改善までの期間は、皮膚炎の種類・原因・重症度によって大きく異なります。原因が取り除ける軽い接触皮膚炎では比較的短期間で落ち着くこともある一方、アトピー性皮膚炎のように慢性の経過をたどり、良くなったり悪くなったりをくり返すものもあります。市販薬でのケアで1週間ほどたっても改善しない場合は受診の目安とされています。治療期間や見通しは医師の診察・判断によります。
受診の目安・オンライン診療
受診の目安
かゆみや赤みが広い範囲に及ぶ場合、じくじくして化膿している場合、市販薬でのケアを1週間ほど続けても改善しない場合、良くなったり悪くなったりをくり返す場合は、皮膚科の受診をご検討ください。原因がはっきりしない湿疹や、くり返すかぶれも、受診して原因や種類を調べることがすすめられます。受診の目安や治療の要否は医師の判断によります。料金や保険については料金・保険、受診の流れは受診の流れをご覧ください。
次のような場合は、自己判断で様子を見ず、早めに対面での医療機関の受診をご検討ください。オンラインで完結しにくく、直接の診察や処置が必要になることがあります。
- 顔や目のまわり、口・のど、陰部などが強く腫れる場合や、腫れが急速に広がる場合。
- 皮膚が広い範囲でじくじくし、膿をもつ・熱をもつなど、細菌感染が合併していると思われる場合。
- 発熱や強い倦怠感など、皮膚以外の全身症状を伴う場合。
- 短期間で急激に悪化している場合や、水ぶくれ・皮膚のただれが広範囲に及ぶ場合。
とくに、息苦しさ・のどのしめつけ感・唇や顔の急な腫れ・意識がもうろうとするなど、全身のアレルギー反応(アナフィラキシー)が疑われる症状がある場合は、ためらわずに救急要請を含めた速やかな受診を行ってください。
オンライン診療でできること
皮膚炎の治療は、ステロイド外用薬などの薬物療法と保湿を含むスキンケアが中心となるため、症状が比較的軽く安定している場合や、これまでの経過が分かっている継続治療では、オンライン診療で医師が状態を確認し、必要に応じて保険適用での外用薬の処方や、スキンケア・原因回避などの生活指導を行える場合があります。実施の可否や処方の内容は、症状や種類をふまえた医師の判断によります。詳しくは受診の流れをご覧ください。
対面受診が必要なケース
原因や種類の見極めが必要な初発の湿疹、パッチテストや皮膚生検などの検査が必要な場合、じくじくして感染が疑われる場合、顔や目のまわり・陰部の強い腫れ、広範囲・重症の症状、全身症状を伴う場合などは、対面での診察や検査・処置が必要になることがあります。画面越しでは色や範囲、皮膚の状態を十分に評価しにくいことがあり、オンラインでの対応が難しいと医師が判断した場合は、対面受診をご案内します。
費用の目安
皮膚炎(湿疹)の診療は、公的医療保険の適用対象となります。自己負担は加入する保険の割合(一般に3割など)に応じて計算され、診察料や処方薬の費用がかかります。費用は診療内容や医療機関によって異なるため、目安は料金・保険をご確認ください。
※ 記載は一般的な医学的知見に基づく情報です。実際の診断・治療は医師の診察と判断によります。症状が重い・急な場合は対面受診や救急をご検討ください。
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対面診療の違い
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※ 対面診療の待ち時間・診療時間は一般的な目安です。症状や医療機関により異なります。
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皮膚炎で利用された
患者様の声
新しい化粧品を使ってから顔の一部が赤くヒリヒリし、かぶれてしまいました。ClinicSpotで相談すると原因になりそうなものを一緒に確認してくれ、外用薬を処方してもらえました。使用を中止するよう助言もあり、通院せず数日で落ち着いて助かりました。
仕事で毎日ゴム手袋を使ううちに手の甲が赤くかゆくなりました。接触皮膚炎かもしれないとオンラインで相談し、保険適用で塗り薬を処方してもらえました。刺激を減らす工夫も教えてもらい、忙しくても夜に受診できて本当に助かりました。
アクセサリーの金属が触れる首まわりが赤くただれてかゆくなりました。予約不要でスマホから受診でき、原因を避けることと外用薬での治療を案内してもらえました。写真を見せながら相談できたので、どこにどんな症状が出ているか伝えやすかったです。
受診に関するよくある質問
石川雅俊(いしかわ まさとし) 医師/博士(医療福祉経営学)/公衆衛生学修士(MPH) 2005年筑波大学医学専門学群卒業。臨床研修を経て内科を中心に診療に従事したのち、2008年KPMGヘルスケアジャパン株式会社に参画し、ヘルスケア産業のアドバイザリー業務に従事(2012年マネージャー、2013年KPMGオーストラリア駐在)。2014年より国際医療福祉大学大学院医療経営管理分野准教授。2016年から2018年まで厚生労働省医政局総務課課長補佐として医療提供体制に関する政策立案に携わる。2018年日本医師会ハーバード大学武見フェロー、2020年ジョンズホプキンス大学公衆衛生大学院修士課程修了。 現在、東京医療保健大学特任教授、筑波大学医学医療系客員教授。日本医療経営学会理事・編集委員、日本医療・病院管理学会評議員、BMC Health Services Research編集委員を務める。医師の働き方改革、タスクシフティング、地域包括ケアにおける臨床指標開発などをテーマに、査読付き論文49編以上を発表。
- 皮膚炎の概要|MSDマニュアル家庭版
- 接触皮膚炎|MSDマニュアル家庭版
- 湿疹(皮膚炎)に用いる治療薬の選び方。セルフケアのポイントも解説|田辺ファーマ ヒフノコト
- ステロイド外用剤と皮膚トラブル|田辺ファーマ ヒフノコト
最終更新日:2026年7月 / 本ページの情報は一般的な医学的知見に基づくものであり、個別の診断・治療を保証するものではありません。
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