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COLUMN

ニキビ跡の治療|赤み・色素沈着・クレーター別の対処と受診

監修医師
石川 雅俊 医師 / 医師/博士(医療福祉経営学)/MPH

ニキビ跡の治療は跡の種類で答えが分かれます。赤み・色素沈着・クレーターの見分け方と種類別のケア、消えるまでの期間の目安、皮膚科・美容皮膚科でできること、保険や未承認薬の考え方、跡を残さない予防と受診の目安まで整理します。

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ニキビが治ったあとに残る赤みや茶色い色素沈着、ぽつぽつとした凹み。これらは「ニキビ跡」と呼ばれ、見た目や原因によっていくつかの種類に分かれます。この記事では、ニキビ跡が残る仕組みと種類ごとの見分け方、赤み・色素沈着・クレーターそれぞれのケア、皮膚科や美容皮膚科でできること、そして跡を残さないための予防までを整理します。結論からいえば、ニキビ跡が薄くなるかどうかは「跡の種類」で答えが分かれます。赤みや軽い色素沈着は時間の経過とセルフケアで薄くなることがありますが、深い凹み(クレーター)は自然には治りにくく、医療機関での対応が選択肢になります。まずは自分の跡がどのタイプかを知ることが第一歩です。

この記事のポイント

  • ニキビ跡は主に「赤み」「茶色い色素沈着」「クレーター(凹み)」の3タイプに分かれ、しこり・ケロイドを加えて考えることもあります。
  • 赤みや軽い色素沈着は、紫外線対策や外用ケアと時間の経過で薄くなることがあります(目安は赤み3〜6か月、色素沈着6か月〜2年とされます)。
  • クレーター(凹み)は皮膚の深い層が傷ついた状態で自然には治りにくく、美容皮膚科の施術(自由診療)が選択肢になります。
  • 跡を残さない対策として大切とされるのは、今あるニキビ(尋常性痤瘡)を早めに適切に治すことです。
  • 潰す・こする・紫外線を浴び続けるといったセルフケアは、跡を長引かせたり濃くしたりする一因になります。

ニキビ跡はなぜ残る?種類でわかる「治る跡・施術が要る跡」

ニキビ跡が薄くなるかどうかは、跡の種類によって答えが分かれます。平らな赤みや茶色い色素沈着は時間の経過とケアで薄くなることがある一方、皮膚が凹んだクレーターは自然には治りにくいタイプです。

ニキビ(尋常性痤瘡)は、毛穴に皮脂がたまった「面皰(コメド)」にアクネ菌が増えて炎症が起こり、赤いブツブツや膿へと進むことがあります。強い炎症は囊腫・硬結や瘢痕(=跡)の原因にもなるとされ、ニキビ跡は炎症が残した変化と位置づけられます。跡は主に次の3タイプに分けられ、盛り上がったしこり・ケロイドを加えて考えることもあります。

タイプ 見た目 主な原因(機序) 自然に薄くなるか セルフケアでできること 医療での対応 期間の目安
赤み(炎症後紅斑) 平らな赤み・ピンク 炎症で毛細血管が広がり透けて見える 薄くなることがある 紫外線対策・保湿 外用や施術(自由診療) 3〜6か月が目安
色素沈着(炎症後色素沈着) 平らな茶色〜褐色 炎症でメラニンが増える 薄くなることがある 紫外線対策・保湿 外用やピーリング等 表皮性6か月〜1年/真皮性は2年以上のことも
クレーター(萎縮性瘢痕) 皮膚の凹み・でこぼこ 深い炎症で真皮のコラーゲンが壊れる 自然には治りにくい 予防と保湿が中心 レーザー・ダーマペン等の施術(自由診療) 自然回復は困難
しこり・ケロイド(肥厚性瘢痕) 盛り上がった硬いしこり 線維が過剰に作られる 自然に平らになりにくい こすらない・刺激を避ける 皮膚科で相談(注射・外用など) 数か月〜数年

期間はあくまで一般的な目安で、跡の深さや肌質によって個人差があります。自分の跡がどのタイプかを、次のフローで整理してみましょう。

跡は「平らな赤み・茶色」ですか、それとも「凹み・盛り上がり」ですか?

平らな赤み・茶色

紫外線対策と保湿・外用ケアを続けながら、数か月ほど経過をみる対象です。

凹み・盛り上がり

自然には治りにくいため、皮膚科・美容皮膚科への相談が選択肢になります。

赤み・色素沈着が6か月〜1年たっても残っていますか?

残っている

皮膚科・美容皮膚科で、跡の状態に合う方法を相談します。

今もニキビを繰り返している

まず今あるニキビ(尋常性痤瘡)の治療を優先することが、跡対策の土台になります。

赤みが残るニキビ跡(炎症後紅斑)のケア

平らな赤みのニキビ跡は、紫外線対策と保湿を続けながら経過をみると、薄くなっていくことがあります。これは炎症で広がった毛細血管が透けて見える状態で、目安として3〜6か月かけて落ち着いていくことがあるとされます。

赤みの時期に肌をこすったり、まだ治っていないニキビを潰したりすると、炎症が長引いて色素沈着へ移行する一因になります。刺激を避け、洗顔や保湿はやさしく行うことが基本です。市販の化粧品や外用でケアする方法もありますが、6か月〜1年ほどたっても赤みが引かない場合は、皮膚科・美容皮膚科への相談が目安になります。

茶色い色素沈着(炎症後色素沈着)のケア

茶色い色素沈着のニキビ跡は、紫外線対策を中心にしたケアで薄くなっていくことがあります。炎症をきっかけにメラニンが増えた状態で、皮膚の浅い層(表皮)にとどまるものは6か月〜1年ほど、深い層(真皮)に入り込むと2年以上かかることもあるとされます。

メラニンは紫外線で増えやすいため、日焼け止めをこまめに使うことがケアの土台です。目安として、日常的にSPF30以上・PA+++以上を選び、2〜3時間ごとに塗り直す方法が紹介されています。ビタミンC誘導体やトラネキサム酸などの美白成分を含むケアが用いられることもありますが、こすり過ぎや自己流の強いピーリングは、かえって色素沈着を濃くする原因になるため注意します。

クレーター・しこり・ケロイドと美容皮膚科の施術

凹んだクレーターや盛り上がったしこり・ケロイドは、セルフケアだけで平らに戻すことは難しく、医療機関での対応が選択肢になります。クレーターは深い炎症で真皮のコラーゲンが壊れた状態で、自然には元に戻りにくいタイプです。

美容皮膚科では、フラクショナルレーザー、ダーマペン(マイクロニードリング)、ケミカルピーリング、ポテンツァ、サブシジョン(凹みを引きつれる線維を剥離する処置)などが跡の状態に応じて用いられます。これらは複数回にわたって受けることが一般的で、いずれも保険適用外の自由診療にあたります。効果やダウンタイムには個人差があり、受けられる施術は医師の診察・判断によります。盛り上がったケロイド・肥厚性瘢痕は、放置すると硬さや範囲が変化することもあるため、気になる場合は早めに皮膚科で相談するとよいでしょう。

セルフケアの基本とやってはいけないこと

ニキビ跡のセルフケアは、紫外線対策・保湿・生活習慣を整えることが基本です。あわせて、跡を悪化させる行動を避けることが同じくらい大切とされます。

  • 日焼け止めを毎日使う(目安:SPF30以上・PA+++以上、2〜3時間ごとに塗り直し)。
  • 洗顔・保湿はこすらず、やさしく行う。
  • 睡眠・バランスのよい食事など、肌の回復を支える生活習慣を意識する。

やってはいけないセルフケア(理由)

ニキビを潰すと真皮が傷つき、凹んだ瘢痕(クレーター)が残る一因になります。強くこする・自己流の濃いピーリングは炎症後色素沈着を濃くすることがあり、紫外線を浴び続けると色素沈着が定着しやすくなります。いずれも「早く治したい」という気持ちが逆効果になりやすい行動です。

跡を残さない最善策は「今あるニキビを早く治す」

ニキビ跡を残さないために最も大切とされるのは、跡になる前に、今あるニキビ(尋常性痤瘡)を早めに適切に治すことです。ニキビ跡は炎症の結果として生じるため、炎症を長引かせないことが跡の予防につながります。

ニキビは日本では90%以上の人が経験するとされる一方、医療機関を受診する人は約10%にとどまると報告されています(尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023)。強い炎症をともなうニキビほど跡を残しやすいため、繰り返す・炎症が強い場合は、早めに尋常性痤瘡(ニキビ)の治療について確認し、皮膚科で相談することが跡対策の土台になります。

治療では、毛穴のつまり(面皰)に働きかけるアダパレンの外用薬(1日1回、就寝前に洗顔後の顔へ塗布。妊婦または妊娠している可能性のある女性は使用できません)や、抗菌と角層を取り除く作用をあわせもつ過酸化ベンゾイルのゲル(抗菌薬を含まず耐性菌をつくらないとされます。髪や衣料への漂白作用に注意)、両者を配合したエピデュオゲルなどが処方されることがあります。アダパレンの先発品であるディフェリンゲルも同じ成分です。処方の可否や薬の使い分けは医師の診察・判断によります。薬の種類や使い分けの詳しい解説は、別の記事で扱う予定です。

  1. 炎症期

    赤いニキビ・膿をもったニキビ

    炎症が強いほど跡を残しやすい時期です。潰さず、早めに治療することが跡の予防につながります。

  2. 跡の発生〜赤み期(数週〜数か月)

    平らな赤みが残る

    炎症後紅斑の時期。紫外線対策と保湿を続けながら経過をみます(目安3〜6か月)。

  3. 色素沈着期(数か月〜)

    茶色い色素沈着へ移りやすい

    紫外線対策が定着すれば薄くなっていくことがあります(表皮性6か月〜1年)。

  4. 定着 または 薄化

    薄くなる跡・残りやすい跡に分かれる

    赤み・軽い色素沈着は薄くなることがあります。クレーターは自然回復が難しく、施術の相談対象になります。

保険は使える?費用と未承認薬の考え方

ニキビ跡まわりの費用は、「何を治すか」で保険の考え方が分かれます。おおまかには次の3つに整理できます。

保険の3つの分かれ方

①今ある炎症性のニキビ(尋常性痤瘡)の治療は、保険が使える場合が多いとされます。②ニキビ跡そのものの美白目的の処方は、保険適用外の方向で扱いが厳格化しているといわれます。③クレーターやケロイドに対するレーザー・ダーマペンなどの施術は、原則として自由診療です。実際の保険の可否は診断内容や医療機関の判断によるため、適用をお約束するものではありません。

ニキビ跡向けとして紹介される外用薬のうち、トレチノインや高濃度のハイドロキノンは、日本では医薬品として承認されていない成分です。これらは自由診療での院内調剤などとして扱われ、承認された使い方ではありません。刺激や副反応が出ることもあるため、使う場合は必ず医師の管理下で行い、自己判断での個人輸入や使用は避けます。市販のコスメ・スキンケア(ヘパリン類似物質やビタミンC誘導体など)でケアする方法もありますが、跡の種類によって向き不向きがあり、変化が乏しい・悪化する場合は皮膚科で相談します。

受診の目安と何科・オンライン診療でできること/できないこと

ニキビ跡は皮膚科・美容皮膚科が相談先です。跡の状態によって、対面での相談が向く場合と、オンライン診療を活用しやすい場合があります。

受診の目安

赤み・色素沈着が6か月〜1年たっても残っている、凹み(クレーター)や盛り上がり(ケロイド)が気になる、今もニキビを繰り返している、といった場合は、皮膚科・美容皮膚科への相談が勧められます。

  1. 跡のタイプと経過を整理する

    赤み・色素沈着・凹みのどれか、いつからか、今もニキビがあるかをメモしておきます。

  2. 相談先を選ぶ

    今あるニキビの治療や外用の相談は皮膚科、クレーターなどの施術は美容皮膚科が中心です。

  3. 診察を受け、方針を決める

    医師が跡の状態を確認し、外用・施術・経過観察など適した対応を案内します。

オンライン診療は、今ある活動性ニキビに対する外用薬(処方箋医薬品)の相談・導入に活用しやすい方法です。一方で、クレーターなどの跡そのものへの施術は肌に直接触れる処置のため、対面での診察が前提になります。処方は医師の診察・判断を経て行われます。まずは自分の跡がどのタイプかを知り、対面とオンラインを使い分けるとよいでしょう。

まとめ

ニキビ跡は「赤み」「色素沈着」「クレーター」などの種類で対処が分かれます。赤み・軽い色素沈着は紫外線対策と外用ケア、そして時間の経過で薄くなることがありますが、クレーターは自然には治りにくく、美容皮膚科の施術(自由診療)が選択肢になります。潰す・こする・紫外線放置といった行動は跡を長引かせる一因です。そして跡を残さない土台になるのは、今あるニキビを早めに適切に治すこと。気になる跡やニキビが続く場合は、皮膚科・美容皮膚科で相談してみてください。

ニキビ跡の治療に関するよくある質問

参考文献

  • 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023|日本皮膚科学会(dermatol.or.jp、2026年8月16日参照)
  • ディフェリンゲル0.1%(アダパレン)|日経メディカル処方薬事典(medical.nikkeibp.co.jp、2026年8月16日参照)
  • ニキビ跡の種類と治し方・NGなセルフケア|MYビューティークリニック(mybc.jp、2026年8月16日参照)
  • ニキビ跡治療(種類別・受診の目安)|タカミクリニック(takamiclinic.or.jp、2026年8月16日参照)
  • ニキビ跡が消えるまでの期間・種類別の目安|こばとも皮膚科(oogaki.or.jp、2026年8月16日参照)
監修者プロフィール
石川 雅俊 医師
医師/博士(医療福祉経営学)/MPH

石川雅俊(いしかわ まさとし) 医師/博士(医療福祉経営学)/公衆衛生学修士(MPH) 2005年筑波大学医学専門学群卒業。臨床研修を経て内科を中心に診療に従事したのち、2008年…

最終更新日:2026年8月 / 本ページの情報は一般的な医学的知見に基づくものであり、個別の診断・治療を保証するものではありません。症状が続く場合は医療機関にご相談ください。

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