ヒルドイドは市販で買える?代わりの市販薬と選び方・受診の目安
ヒルドイドは市販で買えるのかを公的情報で解説。医療用医薬品のため市販不可で、有効成分ヘパリン類似物質を配合した市販薬で代替できます。医療用との濃度・剤形の違い、選び方、禁忌・副作用、受診の目安、オンライン診療での処方までを整理します。
皮脂欠乏性湿疹もオンラインで相談できます
ご自宅からスマホで受診いただけます。
「ヒルドイドは市販で買えるの?」「ドラッグストアで同じような薬を買いたい」と考える方は多いと思います。結論から言うと、ヒルドイドは医師の処方が必要な医療用医薬品で、薬局やドラッグストアでそのまま購入することはできません。ただし、有効成分である「ヘパリン類似物質」を配合した市販薬(OTC)があり、乾燥や手荒れなどのセルフケアに使えます。この記事では、市販で買える代わりの薬と選び方、医療用との違い、使ってよい症状・使ってはいけない場合、受診の目安までを、添付文書などの公的情報をもとに整理します。医療用ヒルドイドが必要なときは医師の診察・判断が必要で、保険が使えるかどうかは診察の内容によって異なります。
まず知りたい要点(結論)
この記事のポイント
- ヒルドイドは医療用医薬品のため、市販では購入できません。使うには医師の処方が必要です。
- 有効成分「ヘパリン類似物質」を配合した市販薬(ヒルマイルド、ピアソンHP、ヒルメナイドなど)が代わりに使えます。
- 市販の単剤は濃度0.3%=医療用と同じ製品が多い一方、0.3%未満の製品や医薬部外品もあります。
- 出血性血液疾患(血友病・血小板減少症・紫斑病など)のある方や、出血している部位・眼には使えません。
- 軽い乾燥は市販で様子をみられますが、湿疹化・出血・感染のサインがあるときは受診が勧められます。
ヒルドイドは市販で買える?(買えない理由)
ヒルドイドは医療用医薬品のため、薬局やドラッグストアでは市販されていません。医師が診察したうえで処方する「医療用医薬品」で、購入には医師の処方が必要です。市販の保湿剤にも同じ有効成分(ヘパリン類似物質)を配合した製品がありますが、効能・効果や配合量、対象となる症状の範囲が異なる場合があります。
ヒルドイドローション0.3%は、有効成分ヘパリン類似物質を1g中3.0mg(0.3%)含む外用の保湿剤で、皮膚の水分を保つ保湿作用と、局所の血行を促す作用をあわせ持つとされます。皮脂欠乏症(乾皮症)や進行性指掌角皮症などに用いられます。医療用ヒルドイドそのものの詳しい効能・用法や作用については、ヒルドイド(医療用)の解説ページもあわせてご覧ください。市販薬で足りるのか、医療用が必要なのかの見分け方は、この記事の後半で整理します。
ヒルドイドの代わりになる市販薬|有効成分はヘパリン類似物質
ヒルドイドそのものは買えませんが、有効成分「ヘパリン類似物質」を配合した市販薬で代替できます。ヘパリン類似物質はヒルドイドの一般名(成分名)にあたり、多くの親水基が水分子を引き寄せて保持することで、角層の水分保持を高めるとされています。あわせて局所の血行を促す作用も報告されています。
ドラッグストアなどで買える、ヘパリン類似物質を配合した市販薬には、次のような製品があります(いずれも一例です)。
- ヒルマイルド
- ピアソンHP
- ヒルメナイド
- へパリオ
- ビーソフテン(市販版)
- フェルゼアHPシリーズ など
これらはクリーム・ローション・軟膏・フォーム・スプレーなど、さまざまな剤形で販売されています。どの製品・剤形が向くかは、塗る部位や乾燥の程度によって変わります(次章で整理します)。なお、医療用のジェネリック医薬品である「ビーソフテン」は、医療用医薬品として処方されるもので、そのままの形では市販されていません。名前の似た市販版とは区分が異なる点に注意します。
市販薬と医療用ヒルドイドの違い(濃度・医薬品と医薬部外品)
市販薬と医療用の主な違いは、有効成分の濃度・効能効果の表示範囲・医薬品か医薬部外品かの区分です。有効成分そのものは、どちらもヘパリン類似物質で同じです。
| 項目 | 医療用ヒルドイド | 市販薬(OTC) |
|---|---|---|
| 入手のしかた | 医師の診察・処方が必要 | 薬局・ドラッグストアで購入できる |
| 有効成分 | ヘパリン類似物質 | 同じ(ヘパリン類似物質) |
| 濃度 | 0.3%(ローションは1g中3.0mg) | 0.3%〜0.3%未満(製品による) |
| 区分 | 医療用医薬品 | 一般用医薬品、または医薬部外品 |
| 効能・効果 | 添付文書に定められた範囲 | 製品ごとに承認された範囲(保湿など) |
市販の単剤には、医療用と同じ0.3%の製品が多くありますが、0.3%未満のものもあります。パッケージの成分表示で濃度を確認するとよいでしょう。
「医薬品」と「医薬部外品」の違い
ヘパリン類似物質を配合した市販薬には、「医薬品」として販売されるものと、「医薬部外品」として販売されるものがあります。医薬品は有効成分が定められた量で配合され、効能・効果を表示できます。一方、医薬部外品は医薬品と同じ量が配合されているとは限らず、表示できる効能・効果の範囲も異なります。同じ「ヘパリン類似物質配合」でも中身が同一とは限らないため、目的に合うかを表示で確認します。
選び方|剤形の使い分け
剤形は、塗る部位・季節・使用感で選ぶと使いやすくなります。ヘパリン類似物質の外用薬には複数の剤形があり、製造販売元のマルホは、季節や部位に応じた使い分けを示しています。おおまかな目安は次のとおりです。
| 剤形 | 使用感・特徴 | 向いている部位・季節の目安 |
|---|---|---|
| クリーム | 保湿力が高く、しっとりする | 乾燥が強い部位、秋冬 |
| ローション | 伸びがよく、広い範囲に塗り広げやすい | 広い範囲、被髪頭部、顔、夏 |
| 軟膏(ソフト軟膏) | 密着してしっとり保護する | ひび・あかぎれ、乾燥の強い部位 |
| フォーム | 泡で広範囲に手早く塗れる | 頭皮・広い範囲、夏 |
| スプレー | 手の届きにくい部位に使いやすい | 背中など |
保湿に使われる市販成分は、ヘパリン類似物質だけではありません。セラミドは皮膚のバリアを補う働き、尿素は角質をやわらかくする働き、ワセリンは皮膚表面をおおって水分の蒸発を防ぐ働きがあるとされます。ヘパリン類似物質は、水分を保つ保湿と血行を促す作用をあわせ持つ点が特徴です。ひび割れが深い部位では尿素配合剤がしみることもあり、症状や部位に合わせて選びます。
使ってよい症状・使ってはいけない人と部位
市販のヘパリン類似物質は、皮膚の乾燥・手荒れ・角化・ひび・あかぎれなどに使えますが、出血性血液疾患のある方や、出血している部位・眼には使えません。
使う目安となる症状には、次のようなものがあります。
- 皮膚の乾燥(乾皮症)によるカサつき
- 手荒れ・指先の乾燥
- 手のひび・あかぎれ
- 進行性指掌角皮症のような角化(皮膚が硬く厚くなる状態)
一方で、次にあてはまる方・部位には使えません。ヘパリン類似物質には血液の凝固を抑える作用があり、出血を助長するおそれがあるためです。これは医療用ヒルドイドの添付文書で「使ってはいけない(禁忌)」とされている内容です。
- 出血性血液疾患(血友病、血小板減少症、紫斑病など)のある方
- 僅少(きんしょう=ごくわずか)な出血でも重大な結果を来すことが予想される方
- 出血している傷・潰瘍やびらん(ただれ)の面、眼(目には使用しない)
顔・赤ちゃんに使うとき
顔にも使えますが、目の周りは避け、しみる・赤くなるなどがあれば使用を中止します。赤ちゃんや子どもの乾燥の保湿に使われることもありますが、皮膚がデリケートなため、湿疹やただれがある場合や心配なときは、自己判断で続けず医師・薬剤師に相談します。
副作用|頻度の具体数値
主な副作用は皮膚炎・かゆみ・発赤などで、頻度はいずれも高くないと報告されています。医療用ヒルドイドの添付文書では、副作用の頻度が次のように示されています。
- 皮膚炎、そう痒(かゆみ)、発赤、発疹、潮紅(ほてり)など:0.1〜5%未満
- 皮膚刺激感、紫斑(皮下の内出血):頻度不明
さらに具体的な数値として、クリーム剤の効能追加時の調査(2471例)では副作用の発現率は0.93%(皮膚炎0.36%、そう痒0.32%、発赤0.20%など)と報告されています。ローション剤の承認時の臨床試験(121例)では、副作用は認められませんでした。多くの方では大きな問題になりにくいとされますが、体質や部位によっては刺激を感じることがあります。かゆみ・赤み・刺激感などの気になる症状があらわれた場合は、使用を中止し、医師・薬剤師にご相談ください。
妊娠・授乳・長期使用・美容目的の考え方
妊娠中・授乳中の使用や、長く使い続けること、美容目的での使用については、いくつか知っておきたい点があります。
妊娠中・授乳中
妊娠中に使用したときの影響は十分に確認されていないとされ、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用します。授乳中についても、乳汁への移行などのデータは示されておらず、使用の可否は医師の判断によります。妊娠中・授乳中に使う場合は、自己判断せず医師にご相談ください。
長期に使い続ける場合
ヘパリン類似物質は、投与期間の制限は定められていません。ただし、症状が改善したのに漫然と長く使い続けることは避け、皮膚の状態を確認しながら使うこととされています。市販薬で使い続けても改善しない・繰り返す場合は、別の原因が隠れていることもあるため、受診を検討します。
美容目的について
ヘパリン類似物質は、皮膚の乾燥を防ぐ保湿と局所の血行促進をあわせ持つ外用薬として、乾燥やあれた皮膚の症状に用いられるものです。シワの改善や美白などの美容目的で、必要以上に大量・長期に塗ることを想定した薬ではありません。本来の使い方は、乾燥・手荒れなどの皮膚症状へのケアです。気になる肌悩みがある場合は、皮膚科で相談するとよいでしょう。
市販で様子見してよい?受診の目安
軽い乾燥は市販で様子をみられますが、湿疹化・出血・感染のサインがあるときは受診が勧められます。次の流れで、市販でのケアを続けてよいか、受診したほうがよいかの目安を確認してみましょう。
皮膚がカサカサする程度の軽い乾燥・手荒れで、赤みや強いかゆみはない?
市販のヘパリン類似物質などで保湿しながら、しばらく様子をみられる段階です。
次の項目を確認します。
赤み・ぶつぶつ・強いかゆみを伴う湿疹になっている、または保湿を続けても改善しない?
皮脂欠乏性湿疹やアトピー性皮膚炎などに進んでいることがあり、皮膚科の受診が勧められます。
保湿のケアを続けつつ、次の項目も確認します。
出血している、じくじくして膿がある、赤みや腫れが急に広がっている?
市販薬でのケアは適さない状態です。医療機関への相談が勧められます。
引き続き保湿でケアしながら、変化があれば受診を検討します。
乾燥をきっかけに、皮膚のバリア機能が低下し、かいてしまうことで炎症が起こり、赤み・ぶつぶつを伴う湿疹へ進む悪循環が起こることがあります。これが皮脂欠乏性湿疹で、この段階になると保湿だけでは改善しにくく、医師の診察が勧められます。乳幼児で顔の赤みやぶつぶつ、強いかゆみを繰り返す場合は、アトピー性皮膚炎のこともあり、早めの相談が役立ちます。
受診の目安
保湿を続けても改善しない、赤み・かゆみが強い、範囲が広がる、じくじくする・出血する、といった場合は、皮膚科などの医療機関で相談することが勧められます。市販薬で対処してよいか迷うときも、医師に相談すると安心です。
医療用ヒルドイドが必要なとき|受診・オンライン診療と保険
医療用ヒルドイドは医師の処方が必要で、受診またはオンライン診療で相談できます。以前に処方されて切らしてしまった、市販では合わなかった、という場合は、あらためて医師の診察を受けます。おおまかな流れは次のとおりです。
-
症状を整理して予約・問診する
いつからどんな症状があるか(乾燥の程度・部位・かゆみ・湿疹の有無など)を整理し、予約して問診に回答します。
-
医師の診察・判断を受ける
医師が皮膚の状態を確認し、ヒルドイドが適しているか、他の対応がよいか、対面での診察や検査が必要かを判断します。
-
処方、または対面受診の案内を受ける
処方が適切と判断されれば処方されます。対面での診察が必要と判断された場合は、対面受診が案内されます。
費用については、医療用ヒルドイドは保険適用の対象となる医療用医薬品です。ただし、保険が使えるかどうかは診察の内容によって異なり、要件を満たせば保険診療となる一方、対面での診察が必要と判断された場合には対面受診が案内されます。実際の窓口でのご負担は、保険の自己負担割合や診察料などによって変わります。詳しくは料金のページをご確認ください。オンライン診療で処方できるかどうかも、症状をふまえた医師の判断によります。医療用ヒルドイドの効能や使い方の詳細は、ヒルドイドの解説ページで確認できます。
まとめ
ヒルドイドは医療用医薬品のため市販では買えませんが、有効成分ヘパリン類似物質を配合した市販薬(ヒルマイルド、ピアソンHP、ヒルメナイドなど)で代替できます。市販の単剤は濃度0.3%=医療用と同じ製品が多い一方、0.3%未満や医薬部外品もあり、区分や表示を確認して選びます。剤形は部位・季節・使用感で使い分け、乾燥・手荒れ・ひび・あかぎれなどに使えます。ただし、出血性血液疾患のある方や出血部位・眼には使えません。副作用は皮膚炎・かゆみ・発赤などで頻度は高くないとされますが、気になる症状があれば中止して相談します。軽い乾燥は市販で様子をみられますが、湿疹化・出血・感染のサインがあるときや、保湿を続けても改善しないときは受診を検討します。医療用ヒルドイドが必要なときは、ヒルドイドの解説もあわせて確認し、医師の診察を受けてください。
ヒルドイドの市販薬に関するよくある質問
市販の単剤には、医療用ヒルドイドと同じ有効成分ヘパリン類似物質を、同じ濃度0.3%で配合した製品が多くあります。この場合、有効成分の面では大きな差はないと考えられます。ただし、0.3%未満の製品や医薬部外品もあり、配合量や表示できる効能・効果の範囲が異なることがあります。また、対象となる症状の範囲は医療用と市販で異なる場合があります。詳しくはヒルドイドの解説ページもご覧ください。
ヘパリン類似物質は、皮膚の乾燥を防ぐ保湿と血行促進をあわせ持つ外用薬で、ニキビそのものを治すことを目的とした薬ではありません。乾燥が気になる部分の保湿に使われることはありますが、ニキビへの直接の効果を期待するものではありません。ニキビが続く・悪化する場合は、自己判断せず皮膚科で相談することが勧められます。
ヘパリン類似物質の市販薬は、赤ちゃんや子どもの乾燥の保湿に使われることもあります。ただし皮膚がデリケートなため、湿疹やただれ、出血がある部位には使わず、使ってみて赤み・かゆみが出た場合は中止します。製品ごとに対象年齢や使い方の記載が異なるため、表示を確認し、心配なときは医師・薬剤師にご相談ください。
医療用のジェネリック医薬品であるビーソフテンは、医師の処方で使う医療用医薬品で、そのままの形では市販されていません。市販で購入したい場合は、ヘパリン類似物質を配合した一般用医薬品(ヒルマイルド、ピアソンHP、ヒルメナイドなど)が選択肢になります。医療用のビーソフテンやヒルドイドが必要なときは、医師の診察を受けてください。
参考文献
- ヒルドイドローション0.3%/ソフト軟膏0.3%/クリーム0.3% 添付文書|医薬品医療機器総合機構(PMDA)(pmda.go.jp、2026年8月17日参照)
- ヒルドイド 剤形の使い分け|マルホ(製造販売元)(maruho.co.jp、2026年8月17日参照)
- ヒルドイドは市販で買える?代わりになる薬とその違い|EPARKくすりの窓口(kusurinomadoguchi.com、2026年8月17日参照)
- ヒルドイドと同じ市販薬はある?|ミナカラ(minacolor.com、2026年8月17日参照)
石川雅俊(いしかわ まさとし) 医師/博士(医療福祉経営学)/公衆衛生学修士(MPH) 2005年筑波大学医学専門学群卒業。臨床研修を経て内科を中心に診療に従事したのち、2008年…
最終更新日:2026年8月 / 本ページの情報は一般的な医学的知見に基づくものであり、個別の診断・治療を保証するものではありません。症状が続く場合は医療機関にご相談ください。
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