インフルエンザB型の症状|A型との違い・お腹の症状と受診の目安
インフルエンザB型の症状を、A型との違い・出やすいとされるお腹の症状(腹痛・下痢・嘔吐)・熱の出方・何日で治るかの経過・受診の目安まで、公的機関やMSDマニュアルなどの情報をもとに整理します。
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発熱にくわえて腹痛や下痢、吐き気があると、「これはインフルエンザB型なのか、それとも胃腸炎なのか」と迷いますよね。この記事では、インフルエンザB型の症状について、A型との違い、B型で出やすいといわれるお腹の症状(腹痛・下痢・嘔吐)、熱の出方、何日くらいで軽くなるかの経過、そして受診の目安までを、公的機関やMSDマニュアルなどの情報をもとに整理します。結論から言うと、A型とB型は大きく見れば似た病気で、B型ではお腹の症状が比較的前面に出やすいものの、症状の重さや経過には個人差・年齢差があります。
まず知りたい要点(結論)
この記事のポイント
- インフルエンザのA型とB型は多くの株がありますが、いずれも似通った病気を引き起こすとされ、「B型だから軽い」と一概には言えません。
- B型では吐き気・嘔吐などのお腹の症状がみられることがあり、とくに小児で多いと報告されています。ただしお腹の症状は必ず出るわけではありません。
- 発熱の高さや続く日数、経過には個人差・年齢差があり、熱が高くないからインフルエンザではない、とは言い切れません。
- 検査や抗インフルエンザ薬の要否は発症からの時間や状態をふまえて医師が判断します。使う薬はA型とB型で基本的に変わりません。
インフルエンザB型とは
インフルエンザB型は、インフルエンザウイルスB型による感染症です。季節性の流行を起こすのは主にA型とB型で、B型は基本的にヒトだけに感染するとされています。医療機関の迅速検査でわかるのは、通常は「A型か・B型か」までの判定で、B型をさらに細かく分けた分類(ビクトリア系統・山形系統などと呼ばれるもの)までは、ふだんの診療では調べないのが一般的です。そのため「自分は何系統か」を気にするより、症状と経過、周囲の流行状況をもとに対応を考えるほうが実際的です。インフルエンザそのものの原因・予防・オンライン診療については、インフルエンザの疾患解説ページもあわせてご覧ください。
A型とB型はどう違う?
大きく見れば、A型とB型は似通った病気を引き起こします。そのうえで、一般に語られる傾向を整理すると次のようになります。ただし個人差が大きく、見た目だけで型を確実に見分けることはできません。
| A型 | B型 | |
|---|---|---|
| 感染する相手 | ヒトのほか動物にも感染 | 基本的にヒトのみ |
| 症状の傾向 | 高熱など全身症状が出やすいとされる | お腹の症状(吐き気・嘔吐など)を伴うことがある |
| お腹の症状 | みられることがある | とくに小児で多いと報告される |
| 使う薬 | 抗インフルエンザ薬は型で基本的に変わらない | |
このように差はあくまで「傾向」で、どちらがつらいかは人によって異なります。風邪との違いや一般的なインフルエンザ症状の全体像は、インフルエンザの症状(風邪との違いと受診の目安)で詳しく解説しています。
お腹の症状(腹痛・下痢・嘔吐)は本当に出やすい?
B型で吐き気や嘔吐などのお腹の症状がみられることはありますが、必ず出るわけではありません。MSDマニュアルでは、インフルエンザで吐き気や嘔吐が生じることがあり、とくに小児に多くみられるとされています。一方で、お腹の症状だけを根拠にB型と決めつけることはできず、感染性胃腸炎(ノロウイルスなど)でも似た症状が出ます。見分けの手がかりとしては、38℃前後の急な発熱や関節痛・筋肉痛・咳など全身の症状を伴うか、周囲でインフルエンザが流行しているか、などがあります。ただし最終的な判断は、検査を含めて医師が行います。
受診の目安(お腹の症状があるとき)
嘔吐や下痢が続いて水分がとれない、尿がほとんど出ない、ぐったりしているなど脱水が疑われるときは、早めに医療機関へご相談ください。少量ずつこまめに水分をとることが基本ですが、飲めない場合は無理をせず相談しましょう。
熱が高くない・熱がない・ぶり返すことはある?
インフルエンザB型でも、熱の出方には個人差があります。高い熱が出ることもあれば、それほど高くならないこともあり、とくに高齢の方や乳幼児でははっきりした発熱がみられないこともあると報告されています。大切なのは、熱が高くないからインフルエンザではない、とは言い切れないという点です。強いだるさや関節の痛み、周囲の流行状況もあわせて考えます。また、いったん下がった熱が再び上がること(いわゆる二峰性)もありますが、その原因は一律ではありません。熱がぶり返す・長引く場合は、肺炎などの合併症のサインのこともあるため、次章以降の受診の目安もあわせて確認してください。
何日でよくなる?経過の見通し
経過には個人差がありますが、公的な資料をもとにした一般的な目安は次のとおりです。潜伏期間(感染してから症状が出るまで)はおおむね1〜3日(資料により1〜4日)とされ、症状は急に現れます。
- 潜伏期(1〜3日ほど)
症状はまだ出ていないことが多い
感染してからおおむね1〜4日で、発熱などの症状が急に現れるとされています。
- 発症〜2〜3日
発熱・全身症状が強い時期
MSDマニュアルでは症状の大半は2〜3日で治まるとされます。抗インフルエンザ薬は発症48時間以内の使用が目安です。
- 〜5日目ごろ
発熱が続くことがある
発熱は5日目まで続くことがあるとされています。熱が下がっても、しばらくは無理をせず療養します。
- 回復期
咳・だるさが残ることも
咳や脱力感(だるさ)、発汗、疲労感が数日間、ときには数週間続くことがあります。長引く・悪化する場合は再受診を検討します。
「何日目が必ずピーク」と決まっているわけではなく、経過は年齢や体調によって異なります。経過や過ごし方の詳細は、インフルエンザの経過と療養についても参考になります。
「B型は軽い」は本当?重症化と子どもで注意したいこと
「B型は軽い」と言われることがありますが、A型とB型は似通った病気を引き起こすとされ、B型だから必ず軽い、とは言えません。とくに高齢の方、乳幼児、妊娠中の方、慢性の病気のある方、免疫の低下している方では、肺炎などを合併して重くなることがあるとされ、注意が必要です。お子さんでは、下痢や嘔吐などお腹の症状を伴いやすく、まれに急性脳症を合併して進行が早く重い経過をたどることがあると報告されています。急に走り出す・強く怖がるなどの異常行動やけいれんにも注意します。
ポイント
型(A型・B型)そのものより、「どんな症状が・どのくらい強く出ているか」「重症化しやすい条件にあてはまるか」で対応を考えるのが実際的です。
検査・治療・薬はA型と同じ?
使う薬は、A型とB型で基本的に変わりません。診断では、鼻の奥やのどをぬぐった液でウイルスを調べる迅速診断キットが広く使われますが、発症してまもない時期はウイルス量が少なく陽性と出にくいことがあるため、検査を受ける時期は医師が判断します。治療は安静・十分な休養と水分補給が基本で、状態や発症からの時間に応じて、医師の判断により抗インフルエンザ薬が用いられることがあります。代表的な薬にタミフル(オセルタミビル)、ゾフルーザ(バロキサビル)、吸入薬のリレンザ(ザナミビル)などがあり、どれを使うか・使わないかは状態によって異なります。抗インフルエンザ薬の使用は発症48時間以内が目安とされます。オンライン診療を含む受診の流れは、インフルエンザのオンライン診療についてをご確認ください。
解熱薬の注意(とくにお子さん)
お腹の症状で吐き気が強いときは、無理に内服せず医師・薬剤師に相談しましょう。とくにインフルエンザが疑われるお子さんでは、ジクロフェナクナトリウムやメフェナム酸、サリチル酸系(アスピリンなど)の解熱鎮痛薬は避け、アセトアミノフェンが用いられるのが一般的です。市販薬を含めて自己判断で使わず、使用前に医師・薬剤師にご相談ください。
受診の目安とオンライン診療でできること
流行期にインフルエンザが疑われる症状があるときは、早めに医療機関にご相談ください。受診先は、大人は内科、お子さんは小児科が目安です。迷ったときの考え方を整理すると次のようになります。
呼吸が苦しい・意識がおかしい・けいれん・強い脱水(水分がとれない)・子どもの異常行動がある?
救急外来の受診や救急車の要請をご検討ください(オンライン診療では対応できません)。
次の項目を確認します。
急な発熱や強い全身症状があり、発症からまだ日が浅い?
検査や治療の判断のため、対面での受診を検討します(抗インフルエンザ薬は発症48時間以内が目安)。
オンライン診療で相談し、対面や検査が必要かを判断してもらう方法もあります。
費用の面では、インフルエンザの診療(診察・検査・治療)は公的医療保険の対象となるのが一般的で、自己負担は年齢や所得に応じて原則1〜3割です。一方、予防のためのワクチン接種は病気の治療ではないため健康保険の対象外で、原則自己負担となります。呼吸が苦しい・強い脱水がある・お子さんの急性脳症を疑うなどの場合は、オンラインではなく対面での診察が必要です。対応できる範囲や受診の目安は、インフルエンザの受診の目安とオンライン診療でご確認ください。
まとめ
インフルエンザB型は、大きく見ればA型と似た病気で、お腹の症状(吐き気・嘔吐など)がとくに小児で前面に出やすい一方、症状の重さや経過には個人差・年齢差があります。潜伏期間はおおむね1〜3日、症状の大半は2〜3日で治まり、発熱は5日目まで続くことがあり、咳やだるさは数日〜数週間残ることもあります。使う薬はA型と基本的に変わらず、検査や治療の要否は医師が判断します。呼吸が苦しい・強い脱水・お子さんの異常行動などの危険なサインがあるときは、早めの受診が必要です。迷ったときは、インフルエンザの疾患ページもあわせてご確認ください。
インフルエンザB型の症状に関するよくある質問
参考文献
- インフルエンザ(流感)|MSDマニュアル家庭版(msdmanuals.com、2026年8月14日参照)
- インフルエンザ(総合ページ)|厚生労働省(mhlw.go.jp、2026年8月14日参照)
- インフルエンザ Q&A|日本医師会(med.or.jp、2026年8月14日参照)
- インフルエンザ脳炎・脳症における解熱剤の影響について|日本小児科学会(jpeds.or.jp、2026年8月14日参照)
- インフルエンザ(季節性)|感染症クイック・リファレンス|日本感染症学会(kansensho.or.jp、2026年8月14日参照)
石川雅俊(いしかわ まさとし) 医師/博士(医療福祉経営学)/公衆衛生学修士(MPH) 2005年筑波大学医学専門学群卒業。臨床研修を経て内科を中心に診療に従事したのち、2008年…
最終更新日:2026年8月 / 本ページの情報は一般的な医学的知見に基づくものであり、個別の診断・治療を保証するものではありません。症状が続く場合は医療機関にご相談ください。
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